1996 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金の相変態制御と評価を組み込んだ知的材料システム設計
Project/Area Number |
07455047
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古屋 泰文 東北大学, 工学部, 助手 (20133051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島本 聡 埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (10118664)
松本 実 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (20197065)
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
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Keywords | インテリジェント材料 / 知的材料システム / 複合材料 / 形状記憶合金 / 相変態 / 破壊 / き裂 / 繊維強化材料 |
Research Abstract |
本年度(平成8年度)の研究成果としては、以下の3つに大別される。 (1)放電プラズマ焼結(SPS)法による、金属系形状記憶TiNi繊維強化型Al基複合材料の機械的特性改善 (2)高分子系形状記憶TiNi繊維強化型epoxy基複合材モデルを用いた破壊靱性K値の向上効果 (3)圧電型AEセンサ/アクチュエータSMA繊維強化知的複合材料システムの通電加熱時の材料能動強化への応答性の改善を試みた。 以下には各テーマにおいて得られた研究成果をまとめた。 (1)放電プラズマ焼結(SPS)の採用により、昨年度までのブレス焼結法に比べて材質の大幅改善と引張り強度の大幅な改善が認められた。すなわち、焼結密度(99%以上)、引張り強度(降伏応力)は1.5倍、破断伸びは2倍以上(100%)が得られた。その理由は、SPSでの短時間焼結に伴う、Al基地組織の緻密化、TiNi/Al界面析出物の抑制効果を明らかにした。また、高温側(>Af変態温度)でのTiNiファイバ形状記憶収縮に伴う材料強化機構も明確に確認された。 (2) TiNi/Epoxyモデルでは、高温側(>Af変態温度)での埋め込みファイバと切欠き先端までの距離(ドメイン)の減少につれて、切欠き先端部K値は漸減した。このようなファイバ埋め込みによる破壊靱性向上効果は、疲労き裂伝播速度のファイバ近傍での停滞効果として表れることを実験的に確認した。 (3)突発破壊防御を主目的とした、AEセンサ/アクチュエータTiNi繊維強化知的複合材料システムでの、AEセンサからの破壊予兆信号を分離する波形解析ソフトの改善、およびA/Dボード側のハードウェア部分の改善を行い、昨年度よりも高速で応答出来る知的材料システムを構築した。 以上、当初計画した『形状記憶合金(SMA)の相変態制御と評価を組み込んだ知的材料システム設計』開発への基礎的研究成果を挙げることが出来た。
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[Publications] Y. Furuya: "TiNiファイバ/Al複合材の高温側の強度と疲労に及ぼす形状記憶効果の影響" 日本金属学会誌. 60巻12号. 1163-1172 (1996)
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[Publications] Y. Furuya: "Design and Material Evaluation of Shape Memory Composite" J. Intelli. Mater. Syst. & Struct.7. 321-330 (1996)
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[Publications] 古屋 泰文: "破壊防止知的複合材料システム" D & D′96 Conference (Fukuoka)講演論文集. 134-135 (1996)
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[Publications] 古屋 泰文: "知的複合材料" 養賢堂出版, 8-55 (1996)