1995 Fiscal Year Annual Research Report
転位動力学に基づく繰返し変形構成式の導出とその多軸応力下の疲労問題への展開
Project/Area Number |
07455055
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
幡中 憲治 山口大学, 工学部, 教授 (60026193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 寿 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (10043887)
大木 順司 山口大学, 工学部, 助手 (80223965)
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Keywords | 転位動力学 / 繰返し変形構成式 / 多軸応力 / き裂開口挙動 |
Research Abstract |
著者らが転位動力学に基づいて導出した繰返し変形構成式を弾塑性有限要素法に適用し、銅焼鈍材のき裂先端近傍における荷重制御下の繰返し変形挙動を定量的に評価することを試みた。また、き裂先端近傍の局部的変形を座標格子法を用いて計測し、この結果と解析結果との比較検討を行った。得られた主な結果は次のようにとりまとめられる。 (1)本解析により算出された中央貫通き裂材の繰返し荷重-変位応答は実験結果とほぼ一致した。これより、本解析手法はき裂先端近傍の局部的繰返し変形を良く記述し得るものであることがわかった。 (2)ある与えられた荷重幅下でき裂先端近傍の一サイクル中に生じるひずみ変動幅およびき裂開口変位幅は繰返し数の増加に伴い減少し、次第に一定値に収束する傾向を示した。 (3)本解析により算出されたき裂先端近傍のひずみ分布およびき裂開口挙動は(2)に示した傾向をも含む実験結果を定性的にも定量的にもかなり良く表現した。このことを、および(1)に示した結果より、本繰返し変形構成式はき裂先端近傍の局所的変形挙動を記述するために有効であることがわかった。 (4)繰返し変形中のき裂先端前方、き裂面上における応力一ひずみ応答、およびその面上の応力・ひずみ分布の変化を算出した。そして、繰返し変形中、き裂先端前方において生じる平均応力・ひずみおよび残留応力挙動を明らかにした。 本年度のこのような研究結果より著者らが導出した繰返し変形構成式はき裂先端近傍を含む多軸応力下の疲労問題の解析に適用し得ることが判明した。
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Research Products
(1 results)