1995 Fiscal Year Annual Research Report
積み上げ造形法の研究-微粒子積み上げによる極微小3次元構造物の構築-
Project/Area Number |
07455060
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 知正 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50235371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 英樹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10262114)
畑村 洋太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40010863)
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Keywords | 微細加工 / 微細組立 / 電子顕微鏡 / 微粒子 / マイクロマニピュレーション / 微細接合 |
Research Abstract |
本研究の目的は,電子顕微鏡下でマニピュレータを用いて微小な粒子を機械的に積み上げることで3次元的な極微小構造物を製作する『積み上げ造形法』を、機械的な3次元付加加工手法として確立し,量子効果デバイスであるフォトニック結晶を製作することによってその有効性を検証することにある. 平成7年度は,本研究の基礎となる微粒子の吸着・離脱のための基礎的な知見を獲得し,微粒子の接合,自動化積み上げの基礎技術を確立することが具体的な目的であった. (1)微粒子に働く吸着力の性質の解明:様々な材質の組み合わせについて,微粒子と針,基板とを引き剥がすときの力を,試作した微小力測定システムを用いて実測し,吸着力が主に静電力に基づき,帯電状態,電気的導通状態,表面の微細形状の影響を強く受けることが明らかになった.さらにこの知見に基づき,微小部品の帯電を制御することにより,確実に吸着・離脱を制御できるツールを開発し,空気中でその有効性を確認した. (2)微粒子の接合手法の確立:マニピュレータに装着できる500℃までの範囲で基板温度を精密に制御できるヒ-タユニットを新たに開発し,表面の溶融により金属の微小部品どうしを接合できることを確認した. (3)針先端の微粒子への3次元位置決め手法の確立:微粒子の状態を基板に強く付着した状態,弱く付着した状態,針に付着した状態に分類し,マニピュレータの動作信号,実際の針先の動作・変形情報,実際の微粒子の移動情報からそれらの状態遷移が検出できることを明らかにした.これにより,針先端が微粒子に接触し,それを付着して持ち上げることができたこと,あるいは逆に離脱できたことを自動検出することができる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 宮崎英樹: "電子顕微鏡下での金属微粒子を用いた共晶接合システム" 第13回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 3. 819-820 (1995)
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[Publications] 齊藤滋規: "超微小世界における微粒子積み上げ作業状態の記述" 第13回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 3. 807-808 (1995)
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[Publications] 古谷野宏一: "微小体に働く微小力測定システムの構築" 第13回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 3. 803-804 (1995)
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[Publications] Hideki Miyazaki: "Fabrication of 3D Quantum Optical Devices by Pick-and-Place Forning" IEEE Micro Electro Mechanical Systems Workshop. 318-324 (1996)
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[Publications] Hideki Miyazaki: "Pick and Place Shape Forming of Three-Dimensional Micro Structures" IEEE International Conference on Robotics and Automation. (to be presented). (1996)
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[Publications] 古谷野宏一: "微小体力学の解明とそのマイクロ工具への応用" 日本機械学会ロボティックス・メカトロニクス'96講演会講演論文集. (to be presented). (1996)