1996 Fiscal Year Annual Research Report
超高速すべり軸受における軸方向油膜断現象と軸受動特性への影響
Project/Area Number |
07455070
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 正人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011131)
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Keywords | すべり軸受 / 遠心力効果 / 軸方向油膜破断現象 |
Research Abstract |
超高速で回転する自動車エンジン用ターボチャージャーの軸受にはすべり軸受の一種である浮動ブッシュ軸受が多用されるが、この軸受には従来の理論で説明できない現象が知られている。一つは、軸回転速度に比例して増加すると理論的に予測される浮動ブッシュの回転速度が一定値に飽和してしまう現象である。また、このような高速で回転すると大概の回転軸は自励振動を発生してしまうはずであるが、浮動ブッシュ軸受は極めて安定に回転する場合がある。このような特異な現象の原因として、高速回転のために浮動ブッシュ内側油膜に作用する遠心力が主因となって発生する軸方向油膜破断が考えられる。 本研究では、軸方向油膜破断現象を発生させることが可能な高速すべり軸受試験装置を設計、製作した。最高回転速度が10万rpmである高速電動モータに直径20mmの軸を直結することにより、軸の回転振れをできる限り小さくすることができる。軸回転速度の制御はインバータを用いて行い、速度の検出には光電式の回転計を用いる。平均半径すきまの値を変えた黄銅製の軸受を複数個製作し、平均半径すきまの違いが与える影響を調べることができる。油膜破断が生じて空気が析出した際の油膜の密度変化は、油膜の誘電率の変化として静電容量式変位計により検出する。油膜内の圧力分布は半導体式圧力センサを用いて計測する。軸受に作用する摩擦トルクは非接着式歪ゲージセンサを用いて計測する。
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