1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455071
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久田 俊明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40126149)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 覚万 日本飛行機(株), 本社技術本部, 係長
中村 衛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10185803)
|
Keywords | 空気膜構造 / シェル / 有限要素法 / 圧力 / 風荷重 / 雪荷重 / 座屈 / しわ |
Research Abstract |
これまでの大型膜構造物は、東京ドームのような剛な壁で囲まれ天井のみを膜として室内空間に内圧を作用させることによって膨らませる一重空気膜構造か、支柱で膜を支えるサスペンション構造が主流であった。本研究は内圧を有するチューブを積層した二重空気膜構造により可動展開型のドームが実現出来ることを非線形有限要素法により実証したものである。この構造は二重膜間に内圧を作用させるだけで短時間に自立・展開して空間を構成し、不要になれば環境を破壊することなく畳み込んで移動できるという特徴を有する。 本研究では、先ずしわ状座屈もシミュレートできるよう適当な曲げ剛性を有する有限回転MITCシェルを用いた有限要素解析プログラムを開発し、その精度を半円環状のエアチューブの載荷実験により検証した。次にこの有限要素解析プログラムを用いて円環状エアチューブを積層した50m級ドームを風速30m/s程度の風荷重に耐えるように設計した。風荷重はECCS基準に従い定めた。更に直接微分法に基づく感度解析と最急勾配法によりこのドームの設計諸元の最適化を行なった。具体的には、チューブ間の接続角度、膜厚、チューブ内圧、チューブ直径などを設計変数とした。その結果、初期状態に較べて発生変位、最大応力などが相当改善された。以上の解析を通じ、大型の二重空気膜ドームが実現可能であることを明らかにした。さらに実際にミニモデルおよび8m級モデルを試作し積雪荷重による実験を行なった。その結果と有限要素解析結果は良好に一致し、開発されたプロブラム及び設計手法が妥当であることが確認された。なお併せて二重空気膜型耐雪ドームの実現可能性も立証した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Masaya Kato: "Nonlinear Finite Element Analysis and Design Optimization of Inflatable Pneumatic Structre" Theoretical and Applied Mechanics. Vol.45. 251-256 (1996)
-
[Publications] 加藤雅也: "空気膜構造物の非線形解析" 計算工学講演会論文集. Vol.1. 1009-1012 (1996)
-
[Publications] 加藤雅也: "非線形有限要素法による展開型空気膜構造物の解析" 第45回応用力学連合講演会. 7.12. 363-364 (1996)