1996 Fiscal Year Annual Research Report
ウエーブレット変換、PODおよび条件付抽出法による乱流組織構造の比較研究
Project/Area Number |
07455078
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
木谷 勝 北海道大学, 工学部, 教授 (50001160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井門 康司 北海道大学, 工学部, 助手 (40221775)
望月 修 北海道大学, 工学部, 助教授 (50157830)
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Keywords | 流体力学 / 乱流 / 組織構造 / ゆらぎ / ウエーブレット変換 / POD / 乱流混合層 / 乱流後流 |
Research Abstract |
剪断乱流の組織構造(大規模渦構造)は低周波数変調とよばれるゆらぎをもっている。これまで組織構造の研究には、条件付き抽出法が広く用いられてきたが、これにはあらかじめ条件そのものを設定するという問題点がある。条件を設定しないで組織構造を抽出する方法として、最適直交関数展開法や線形統計推定法などがあるが、最近ではウエーブレット変換が注目されている。本研究は、剪断乱流の代表的なものとして、乱流混合層および乱流後流をとりあげ、その組織構造と低周波数変調を最適直交関数展開法およびウエーブレットによって実験的に明らかにしたものである。あわせて組織構造の抽出におけるこれら二つの方法の特徴を明らかにしている。主要な成果は次の点に要約される。 [1]乱流自由混合層における組織構造の基本的特性が、最適直交関数展開法における第一固有関数によって表現できる。 [2]乱流自由混合層の中心領域では、最適直交関数展開法は組織構造による速度変動の組織性を表現できないのに対し、ウエーブレット変換はこの領域における速度変動の組織性を明確に抽出できる。これにより最適直交関数展開法では、最初の数個の固有値が他のものに比べて特に大きくないときには、組織構造を抽出できないことがわかる。 [3]乱流自由混合層の組織構造は、その通過周波数の約1/6の周波数で変調を受けていることをウエーブレット変換によって明らかにした。 [4]乱流後流の組織構造であるカルマン渦列中の渦が、レイノルズ数の広い範囲にわたって、その通過周波数の約1/25の周波数で変調を受けていることを、ウエーブレット変換によって明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石川 仁、木谷 勝、望月 修: "ウエーブレット変換による乱流後流の解析" 日本機械学会論文集(B編). 61・587. 2409-2417 (1995)
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[Publications] M. Kiya, H. Ishikawa and O. Mochizuki: "Wavelct Transform of Turbulent-Wake Velocity Fluctuations" Proceedines of the sixth Asian Congress of Fluid Mechanics. 1408-1411 (1995)
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[Publications] 石川 仁、木谷 勝、小牧靖幸、望月 修: "乱流カルマン渦列の低周波数変調" 日本機械学会論文集(B編). 62・598. 2180-2186 (1996)
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[Publications] H. Ishikawa, M. Kiya, O. Mochizuki ほか2名: "POD and Wavetet Analysis of Coherent Structures in a Turbulcut Mixing Layer" Proceedings of JSME International Conference on Fluid Engineering. (発表予定). (1997)
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[Publications] M. Kiya and H. Ishikawa: "Coherent Structures and Large Low-Frequency Irregularity in Free Turbulent Shear Flos Educed by Wavelet and POD" Proceedings of Second Sino-Japan Workshop on Turbuleut Flours. (発表予定). (1997)
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[Publications] 石川 仁、木谷 勝、望月 修、前川 博: "PODおよびウエーブレット変換による乱流混合層大規模組織構造の研究" 日本機械学会論文集(B編). (発表予定). (1997)