1996 Fiscal Year Annual Research Report
移動境界非圧縮流れに対するラグランジュ直接解法の適用と検証に関する研究
Project/Area Number |
07455083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
亀本 喬司 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30018022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 嘉文 横浜国立大学, 工学部, 助手 (10242380)
松本 裕昭 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (10251753)
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Keywords | 移動境界 / ラグランジュ直接法 / 渦法 / 流体関連振動 / 振動円柱 / 振動物体曳航水槽 |
Research Abstract |
本研究では、汎用性の高いEWS対応の移動境界非圧縮流れの計算法の開発を目標として、これまでに発展させたラグランジュ直接法としての高精度渦法を移動境界を伴う流れ解析に拡張し、典型的な移動境界問題である振動物体まわりの剥離流れに適用して、同一条件の系統的な水槽実験結果および公表されている実験データと詳細に比較してその有効性を検証することを目的としている。本年度の研究実績として以下の結果が得られた。 1.ラグランジュ直接法において、任意に移動する物体(境界)に対する境界移動速度条件を検討し、高精度渦法に組み込んだ計算コードを開発した。その手法の有効性を検証するため、一様流中におかれた円柱が渦放出によって励起され自由振動す円柱まわりの流れのシミュレーションを行なった。得られた結果を既に公表されている実験データと比較した結果、特徴的なフローパターンとなりうる計算条件において実験事実を極めて良く再現することが確認され、実験では得ることが困難であった円柱の移動軌跡や抗力や揚力の時間変化などがシミュレートされ、流体関連振動問題に対して本手法は大変有用で、かつ頑丈な解析ツールであることが確認された。 2.数値計算コードの最適化ならびに流体関連振動問題における様々な現象の解明を行うことを目的として新規に設計・作成した振動物体曳航水槽装置を用いて、移動方向に強制的に並進振動している円柱からの渦放出のフローパターンの可視化観測と円柱に作用する力の計測実験を行った。得られた結果を既に公表されている実験データと比較した結果、特徴的な現象を本実験装置はとらえることができることが確認された。今後、本水槽を用いて様々な条件の実験を行い、現象の解明並びに計算コードの最適化を行う予定である。
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