1996 Fiscal Year Annual Research Report
高攪乱燃焼および空気性質制御による窒素酸化物の低減
Project/Area Number |
07455096
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池上 詢 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (70025914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川那辺 洋 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (60273471)
塩路 昌宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (80135524)
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Keywords | 拡散燃焼 / 化学反応 / NO_x低減 / 希薄化過程 / 急速混合作用 / 排気再循環 / 確率過程論モデル / 既燃ガス混入 |
Research Abstract |
本研究では,各種燃焼機器および動力装置の不均質燃焼過程におけるNO_x低減の指針と低減限界を明らかにすることを目的とし,熱および物質の乱流混合,空気性質の作用とその制御,NO_x生成に関わる多くの反応過程など物理的・化学的両側面から特化した課題の解決に取り組む,本年度は実用燃焼プロセスにおけるNO_x生成に及ぼす高攪乱および空気性質の作用の解明を目指し,主に以下の研究を実施した. (1)ディーゼル燃焼過程中のNO_x生成・分解過程 エンジン内燃焼を対象とした過濃燃焼ガスの希薄化と容積膨張による温度低下とが同時に起こる場合のNO_x生成を化学動力学の方法で検討した.とくに,容積膨張と希薄化の時期を変化させた際のNO_x生成量の変化を調べた結果,高速機関では混合時間を長くすることによって,NO_x濃度を大幅に低減できることを示唆した. (2)ディーゼル排気およびEGR作用の解析 吸気希釈およびEGRによるNOおよび黒煙排出濃度の変化を確率過程論モデルにより予測した結果,N2およびCO2で吸気を希釈した際の圧力経過および排出濃度の変化をよく再現できること,コールEGRは2,500K以上の高温部の温度を低下させてNO濃度を大幅に低減すること,などEGRの効果を解明するための基礎が与えられた. (3)NO_x生成・分解に及ぼす既燃ガス混入の影響 拡散燃焼過程中に既燃ガスを混入した際のNO_x低減効果を化学動力学計算により検討した結果,既燃ガスは燃焼空気に混入するまでに十分冷却して温度を下げておくことが必要であり,当量比の小さい条件ほど低い温度で低減効果が得られること,混入割合によるNO_x低減作用が強旋回流バ-ナのスワール数による変化と類似することなどを示した.
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[Publications] 塩路昌宏: "エンジン燃焼条件におけるNO_x反応経路" 日本機械学会第74期全国大会講演会. No96-15III. 515-516 (1996)
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[Publications] 塩路昌宏: "燃焼ガス希薄化過程におけるNO_x生成・分解に及ぼす既燃ガス混入の影響" 日本機械学会関西支部第72期定時総会講演会. (1997)
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[Publications] 塩路昌宏: "確率過程論モデルによるディーゼル排気およびEGRに関する解析" 日本機械学会関西支部第72期定時総会講演会. (1997)