1996 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃・振動・音響特性評価による衝突機構の解明に関する研究
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07455104
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中川 紀嘉 広島大学, 工学部, 教授 (80031128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 泰久 広島大学, 工学部, 助手 (60226644)
池田 隆 広島大学, 工学部, 助教授 (50115523)
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Keywords | 衝撃・振動・音響特性 / 衝突機構 / スウィートエリア / 振動エネルギー流れ / 音響エネルギー流れ / 画像処理 / 純音度レベル |
Research Abstract |
衝撃・振動・音響特性評価による衝突機構の解明について研究を行い,以下の成果を得た. 1.衝撃特性評価の視座からの実験と解析 衝突による打撃体・被打撃体の衝撃変形および衝撃抵抗特性を調べるため,高速度カメラによる測定を行った.打撃体の衝突方向と垂直な方向からの測定により,垂直衝突時における打撃体等の変形を明らかにすると共に,斜め衝突時の衝突・反発特性を調べた.さらに,画像処理を用いたスウィートエリアの可視化システムを開発した.ラケット面の中央よりグリップ部に近い領域に,高反発特性を示すスウィートエリアの存在することが分かった. 2.振動特性評価の視座からの実験と解析 衝撃的外乱を受ける系の過度振動をウェーブレット変換を用いて解析し,応答スペクトルの時間的変化が周波数帯により異なることを明らかにした.また,振動時における振動エネルギーと,次項とも関連する音響エネルギー流れ調べた結果,系の減衰がある程度大きくなると両エネルギー流れの一致することが分かり,音響エネルギー流れの測定により振動エネルギー流れの推定ができること,さらに本方法が振動エネルギーの測定の困難性を解決する方法に繋がることが分かった. 3.音響特性の視座からの実験と解析 過度的な音響特性を調べるため,時間的変化が緩やかな音響を例にとり,3種の音についてそのスペクトルの時間的変化を求めた.また,SD法,一対比較法によるアンケート調査を基にこれらの音の音質についても解析を行い,「純音度レベル」を用いることによりその特徴が識別できることが明らかとなった.衝撃音の解析には,さらに時間的に急激な音響特性変化を予想した評価法が重要と思われ,今後その領域に限定した研究を進める価値がある. 以上の3つの異なる視座からの研究により,衝突における系の力学的,エネルギー的特性を求め,詳細な考察の下,衝突機構の解明を行った.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中川紀嘉: "スピンを考慮したテニスラケットボールの衝突挙動" ジョイントシンポジウム1996スポーツ工学シンポジウム,ヒューマンダイナミクス. 27-30 (1996)
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[Publications] 中川紀嘉: "衝撃荷重を受ける軟質ゴムの圧縮特性評価" 第5回 材料の衝撃問題シンポジウム. 45-48 (199)
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[Publications] N. Nakagawa: "Effects of Dissipation Energy on Vibrational and Sound Energy Flow" Technische Mechanik. 16・2. 107-116 (1996)
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[Publications] N. Nakagawa: "Energy Transformation Efficiency of Vibrating Plate from Vibration to Sound" Proc. 3rd Int. Conference on Motion and Vibration Control. 359-364 (1996)
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[Publications] N. Nakagawa: "Estimation of Vibrational Energy Flow by Sound Energy in Vibrating Rectangular Plate" Acoustical Soc. of America and Acoustical Soc. of Japan Third Joint Meeting. 771-776 (1996)