1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455110
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 仁彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20159073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 堅一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011074)
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Keywords | マニピュレータ / 非ホロノミック・システム / 非線形制御 / 運動計画 / チェインドフォーム / 運動学的オーバーシュート |
Research Abstract |
本研究では一般の任意な数の関節をもつ空間構造のマニピュレータをベースに設置した二つのアクチュエータで駆動する新しい発想の非ホロノミック・マニピュレータを開発した。その運動学モデルは制御手法を念頭においてチェインドフォームに変換可能な構造に設計した。球とホイールの転がり運動を用いて積分不可能な拘束を作り、動力を伝達する非ホロノミック・ギアを設計し、関節駆動に用いた。そのような非線形機械要素を新たな機構の設計に積極的に用いるための設計理論を体系的に確立した。 設計した機械を実用的に制御するための非線形制御理論の研究を行ない、より広いクラスの非ホロノミックなメカニカルシステムに適用できる様々な開ループ、フィードバック制御則を開発した。マニピュレータの軌道追従動作などを行なうためにチェインドフォームへの三角関数入力を拡張し、パラメータのチューニングを行なうことで運動学的オーバーシュートを最小化できる運動計画法を開発した。チェインドフォームの疑似線形化によるフィードバック制御則を確立し、効果的に外乱に対処でき、容易に位置制御可能にできることを明らかにした。試作したプロトタイプを用いて様々な実験を行ない、設計した機構の有効性と適用した制御則の妥当性を実証した。 現有の非ホロノミック・マニピュレータは主に機構の単純性に重点をおいて設計したため、機械的動力伝達の限界、制御則と運動学モデルの複雑さに基づく問題が発生し、実際には制御できる関節の数が制限される。その問題点に対処できる新たな機構を設計可能であることを理論的に明確にした上に、多関節マニピュレータの理論的設計を完成した。新たな非ホロノミック・マニピュレータは制御をより効果的に行なえるようにチェインドフォーム変換式を単純化し、理論設計から内部パラメータを設定した。動力伝達の観点からも多関節モデルに適合な機構を用いており、広い分野で応用可能な理想的機構である。
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[Publications] 中村仁彦,鄭宇真,O.J.Sordalen: "非ホロノミック・マニピュレータの実験的研究" 日本ロボット学会誌. 14・5. 694-702 (1996)
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[Publications] 鄭宇真,中村仁彦: "区間三角関数を用いた非ホロノミック・マニピュレータの運動計画" 第14回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 775-776 (1996)
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[Publications] 鄭宇真,中村仁彦: "非ホロノミックな拘束を用いたアンダアクチュエ-テッド・マニピュレータの設計" 第14回日本ロボット学会学術講演会予稿集. 777-778 (1996)
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[Publications] 鄭宇真,中村仁彦: "非ホロノミック・マニピュレータの運動学的オーバーシュートを最小化する運動計画" 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'96論文集. 321-324 (1996)
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[Publications] Woojin Chung,Yoshihiko Nakamura: "Motion Planning of a Nonholonomic・Manipyulator-parametric minimization of Kinematic overshoots for chained form systems-" Proceedings of Second ECPD International Conference on Advanced Robotics,Intelligent Automation and Active Systems. 585-590 (1996)