1996 Fiscal Year Annual Research Report
超磁歪素子を用いた高速流体増幅アクチュエータの基礎研究と燃料噴射弁への応用
Project/Area Number |
07455111
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田中 裕久 横浜国立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90092262)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恭一 横浜国立大学, 工学部, 講師 (30262405)
|
Keywords | 超磁歪素子 / ソニア アクチュエータ / メカトロニクス / 磁場解析 / 流体制御 |
Research Abstract |
本研究では、最大変位35μm程度の超磁歪素子とパスカルの原理に基づいた流体式変異増幅機構との組み合わせにより、可動範囲0.1mm〜0.5mmの領域を対象とした高速直動アクチュエータの開発をおこなった。さらに、ディーゼルエンジン排気ガスの改善を目的に、超磁歪アクチュエータを用いた高速高圧燃料噴射弁の基本設計を示した。本研究の成果は以下の通りである。 1.パスカルの原理を用いた流体式変位増幅機構:2種類の変位増幅機構(理論増幅率25)を製作し、超磁歪アクチュエータへの適合性を評価した。一つは、大ピストンの微小直動運動を流体を介して、小ピストンの運動に増幅する方式であり、剛性は高いが、ピストンしゅう動部からの流体のリ-クが無視できず、シールと流体の補給方法が重要である。もう一つは、大小のピストンを金属ベローズに置き換えたもので、ゼロリ-クであるが、外力に対して変位増幅に寄与しない軸方向以外の体積変化を生じるため、剛性が低いことがわかった。両者の機構に共通する事項として、封入流体中の気泡除去が重要であることもわかった。 2.超磁歪高速電磁弁の開発:超磁歪アクチュエータとシート径6mm×ストローク0.25mmのポペット弁を結合した高速電磁弁を製作して、そのパルス流体制御特性を調べた。磁気回路の最適設計はFEM非定常磁場解析を適用した。この種の弁は電磁気的、機械的作動遅れのために、通常50〜100Hz程度の搬送波周波数でPWM流体制御を行うが、製作した弁は搬送波周波数300HzにおけるPWM流体制御を実現するとともに、パルス流体制御に起因する圧力脈動の低減に成功した。 3.超磁歪アクチュエータを用いた高速高圧燃料噴射弁の基本設計:ディーゼル排ガス性状の向上を目的に、超磁歪アクチュエータで駆動するパイロット弁により、主弁のリフト量を高速に制御する燃料噴射弁の開発構想と基本設計を示した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Yasukazu Sato: "Fluid Power Control by Electro-hydraulic Proportional Seat Valves" Proceedings of the 3rd JHPS International Symposium on Fluid Power Yokohama'96. 313-318 (1996)
-
[Publications] Hirohisa Tanaka: "FEM Analysis and Measurement on the Eddy-current in Magnetic Circuit of PWM On/Off-and Proportional-solenoid-valves" Proceedings of the 3rd JHPS International Symposium on Fluid Power Yokohama'96. 385-390 (1996)