1995 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール量子細線の構造制御と一次元励起子の光学特性
Project/Area Number |
07455131
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊 裕之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90013226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永宗 靖 工業技術院, 電子技術総合研究所, 主任研究官 (20218027)
秋山 英文 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (40251491)
野田 武司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90251462)
高橋 琢二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (20222086)
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Keywords | 量子細線 / リッジ構造 / 原子間力顕微鏡 / へき開再成長法 / T型GaAs量子細線 / 一次元励起子 / 束縛エネルギー / クーロン相互作用 |
Research Abstract |
1.リッジ量子細線の成長メカニズムの解明と形状制御 現有のMBE装置に超高真空原子間力顕微鏡(UHV-AFM)を接続することにより、リッジ構造のその場観察が可能となった。リッジ構造形成の過程をUHV-AFM測定した結果、(1)リッジ構造形成の成長途中でGa原子の表面拡散を介した不均一構造が発生する。(2)リッジ構造形成後さらに成長を継続することりより、その不均一構造は消失し極めて均一な構造へと回復する。(3)その結果得られたリッジ構造は幅30nm未満の鋭い形状が測定範囲である1.6μm以上の長さにわたり均一に形成されており、高さのバラつきも±2分子層程度であるということを明らかにした。さらに、成長温度を500℃程度にすることで幅が10nm以下のGaAsリッジ構造が形成可能であることを明らかにし、今までより細くさらに閉じ込め効果の強い量子細線を得ることが可能であることを示した。 2.量子細線中の一次元電子の量子状態 量子細線における特異なクーロン相互作用を調べるため、MBE装置を用いたへき開再成長法によりT型GaAs量子細線を作製し、一次元電子と正孔が作る擬粒子(一次元励起子)の横方向閉じ込め効果を調べた。 空間分解されたフォトルミネセンス測定を行い、量子細線からの発光を分離して観測し、細線の量子化エネルギーを正確に測定した。それを理論解析し一次元励起子の束縛エネルギーを導出した。その結果、横方向閉じ込めを大きくするに従い、励起子の束縛エネルギーがバルク値の7倍以上に増大することを見出し、半導体量子細線において-ロン相互作用が増大するという重要な知見を得た。 さらに、量子細線の磁場中で発光のスペクトルのシフト量(反磁性シフト)の測定、フォトルミネセンス励起スペクトルの偏光依存性の測定より、T型GaAs量子細線での電子、励起子の一次元性を示す実験結果を得た。
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[Publications] S.Koshiba et al.: "Control of Ridge Shape for the Formation of nm-Scale GaAs Ridge Quantum Wires by MBE" Journal of Crystal Growth. 150. 322-326 (1995)
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[Publications] T.Inoshita and H.Sakaki: "Electronic Structure of Ridge Quantum Wire based on an Analytic Confinement Model" Journal of Applied Physics. 79. 269-272 (1996)
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[Publications] T.Someya,H.Akiyama,and H.Sakai: "Laterally squeezed excitonic wave function in quantum wires" Physical Review Letters. 74. 3664-3667 (1995)
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[Publications] T.Someya,H.Akiyama,and H.Sakaki: "Tightly-confined one-dimensional state in T-shaped edge quantum wires" Applied Physics Letters. 66. 3672-3673 (1995)
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[Publications] T.Someya,H.Akiyama,and H.Sakaki: "Spatially resolved photoluminescence study on T-shaped quantum wires fabricated by cleaved edge overgrowth method21GC05:Journal of Applied Physics" (3/15号発表予定). (1996)
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[Publications] H.Akiyama,T.Someya,and H.Sakaki: "Optical anisotropy in 5nm-scale T-shaped Quantum Wires Fabricated by Cleaved Edge Overgrowth Method" Physical Review B. (発表予定). (1996)