1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455159
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷本 正幸 名古屋大学, 工学部, 教授 (30109293)
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Keywords | 画像情報圧縮 / 擬似画像信号 / ARモデル / 自己相関特性 / 電力スペクトル / 振幅スペクトル / 位相スペクトル |
Research Abstract |
研究実施計画に従って研究を遂行し,これまでに以下の結果を得た. (1)画像の持つ特徴量を様々に制御できる擬似画像信号の生成法を研究した. (2)ARモデルによって生成した擬似画像信号は,実画像信号の自己相関特性と電力スペクトルをかなり良く近似できるが,高域成分の一致度に問題がある. (3)パラメータの自由度を高めたARモデルを提案し,更に画像信号全体を一つのARモデルで生成するのではなく,部分毎に別個のARモデルを適用する修正ARモデルを新しく提案した.これによって擬似画像信号と実画像信号の自己相関特性及び電力スペクトルの一致度を向上させることができた. (4)ARモデル及び修正ARモデルによる擬似画像信号は,振幅スペクトルや自己相関特性を制御できるが,振幅分布や位相スペクトルを制御できない.また,擬似画像は物の形や輪郭を表現することができない. (5)実画像と擬似画像の特徴量を組み替えて作成した試験画像を用いて画像情報圧縮のメカニズムを探究する手法を開発した. (6)DPCM符号化では画像の差信号分布が,DCT符号化では振幅スペクトルが,圧縮に利用されており,フラクタル符号化では振幅スペクトルの他に位相スペクトルも利用されていることを確認した. (7)擬似画像と実画像の特徴量には顕著な相違点があるにもかかわらず,既存の画像情報圧縮カニズムでは両者を区別することができないことを見い出した. (8)既存の画像情報圧縮方式では利用されていない性質があり,その積極的な利用が新しい情報圧縮方式の開発へのブレークスルーになり得るとの見通しを得た.
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