1996 Fiscal Year Annual Research Report
地下水の流況保全のための復水工法の設計法に関する研究
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07455191
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Research Institution | Okayama university |
Principal Investigator |
西垣 誠 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (60112140)
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Keywords | 地下水保全 / 復水工法 / 目づまり / 満州井戸 / 横井戸工法 / 3次元浸透流解析 |
Research Abstract |
建設工事において、地下空間を対象とした工事が増加している。このような工事においては、地盤の種々の環境を保全しなければならない。特に、地下水の環境保全を目的にした、地下水の浸透を復水によって保全する工法は、従来より注目されてきたが、その設計方法は確立されたものではない。復水工法で大切なことは、地下水の浸透を長期的に同じ状態に保つこと、すなわち、復水工法の機能低下を最小限にすることである。そのために最も重要なことは浸透機能で目詰まりを起こさぬことである。したがって、どのような復水工法の設計をすれば、目詰まりが生じにくいかの設計手法を確立することが急務となって来ている。 本研究では復水工法を用いる場合、最も問題となる復水機能の経時的な低下の大きな原因となっている復水井近傍での目詰まりに注目し、この復水機能の低減に効果があると考えられる満州井戸について検討を行った。 満州井戸の水位変化に関する理論解としては、Hantush and Papadopulsの解がある。しかし、この解は定流量注入条件であり、実際の復水井では定水位注入であるため、この理論解を適用することは困難である。よって、横井戸の浸透状況を求めるため、有限要素法による3次元浸透解析を行い、復水工法のための注水による水位変化を解析し、理論解との比較を行った。さらに目詰まりの最大の原因となる満州井戸周辺の地盤内の動水勾配の分布状況を求めた。また、理論解と数値解析では求めることのできない横井戸周辺で発生する目詰まりについては、大型3次元土槽モデル実験によって横井戸周辺の動水勾配の分布や、目詰まりによる浸透状況の変化を求めた。これらの研究より目詰まりの生じない許容動水勾配を考慮した満州井戸の設計方法を確立した。
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[Publications] 西垣 誠: "地下水調査の目的" 地質と調査. 第2号. 3-6 (1996)
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[Publications] 西垣・福井・横田: "地下水保全のための復水井の設計法に関する研究" 第48回土木学会中国支部研究発表会講演概要集. 377-378 (1996)
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[Publications] T.Hishiya,M.Nishigaki,N.Hashimoto,M.Yageta: "The Numerical Method For Saturated-Unsaturated Fluid Density-Dependent Groundwater Flow With Mass Transport." ModelCARE96. 89-98 (1996)
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[Publications] 西垣・福井・横田: "地下水保全のための復水井の設計法に関する研究" 第31回地盤工学研究発表会講演集. 2157-2158 (1996)
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[Publications] 西垣 誠・佐藤常雄: "迂回浸透工法による流況阻害の防止工法に関する研究" 岡山大学環境理工学部研究報告. 2巻、1号. 33-50 (1996)
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[Publications] M.Schreck,M.Nishigaki: "Applied Fiber Optic Measurement for Geohydraulic Engineering." Journal of The Faculty of Environmental Science and Technology Okayama university. Vol.2,No.1. 25-32 (1997)