1995 Fiscal Year Annual Research Report
ドラム型遠心装置を用いた地盤・水・構造系の模型実験システムの構築
Project/Area Number |
07455192
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
日下部 治 広島大学, 工学部, 教授 (40092548)
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Keywords | 模型実験 / 遠心実験 / ドラム型遠心装置 / 相似側 / 造波 / 杭基礎 / 繰り返し載荷 / 海洋基礎 |
Research Abstract |
研究初年度である本年は、造波装置付きのリングチャンネルの設計製作に集中した。本試作装置は、研究代表者の研究室に平成5年度に設置されたミニドラム型遠心装置に直接登載可能となっている。200Gの遠心加速度場で、2種類の振動板を90Wの可変モータで振動させることにより振動振幅0-25mm、振幅周波数12.5Hz、0.5-1.5Hzの2種の波を起こす機能をもつ造波装置を試作する事に成功した。造波のメカニズムはリングチャンネル内の水中に矩形の抵抗板を設置し、遠心装置中心部に設置したモータの回転運動を抵抗板の上下運動に変換する方式を採用した。この方式では造波板をリングチャンネル周方向に往復運動をするケンブリッジ型より優れている。即ち今回採用した方式では、抵抗板の形状と上下運動の振幅を代えることにより多様な波の形成を可能にする。波の形成、伝播の様子は、ドラム中心に設置されたCCDカメラを通してカラーモニター画面に表示され、浮遊物体の追跡も可能である。設計上問題となったのは、既設ミニドラム装置が80cmの小直径であることから登載可能なモータの容量に制約があったこと、造波モータの振動と遠心回転との共振を回避する必要があったことにより、可能周波数の範囲が支配されたことである。さらに小半径であるため、波形追跡用カメラの焦点距離が短く、使用できるレンズに制限が加わった。このような困難のなかではあったが、世界で2番目でかつ新しく汎用性の高い遠心装置内での造波装置が完成させることができ、次年度から、砂地盤上に模型杭基礎構造物を構築し、これに波浪が作用する現象を再現する技術の確立を目指す体制が整った。
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