1996 Fiscal Year Annual Research Report
複断面水路流れの水平組織渦の安定性と土砂輸送機構の解明
Project/Area Number |
07455195
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 駿介 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 典洋 東北大学, 工学部, 助教授 (10260530)
八木 宏 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80201820)
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Keywords | 複断面開水路 / 水平組織渦 / 渦列 / セン断不安定 / 運動量輸送 |
Research Abstract |
両岸に高水敷を有する複断面水路の水平組織渦はセン断不安定と2列の渦列の安定性の2つの安定性に依存する.先ず本研究では,水平渦列の平面安定性とそれに伴う横断方向の運動量輸送の変化を室内実験により調べた.即ち,低水路幅,水深を系統的に変化させることにより2列の水平渦列の干渉の効果やそれに伴った運動量輸送の変化を計測した.その結果,2つの渦列が千鳥状の配置をとり最も干渉しあう低水路幅が存在し,それより低水路幅が広くなると,渦の干渉が弱くなり千鳥状の配置を取ることが出来ず比較的不安定な配置となった.また,低水路幅が狭い場合には渦列が強く干渉しお互いにの位相をずらす配置になっているものの,個々の渦のスケールが異なる不安定な配列となった.大規模水平渦の波長は,渦列の干渉がある場合においても,流れ場のセン断不安定性(変曲点不安定性)によってよく説明でき,水平組織渦の成因がセン断不安定であることが再確認された.運動量輸送は上記の安定性と深く関連しており,渦列の配置が最も安定なときに,横断方向の運動量輸送は極大値を取ることが明らかになった.水深を変化させて行った同様の実験でも同じ結果が得られた.しかし,水深が小さくなることによって,境界部での流速セン断が大きくなり強度の高い水平組織渦が発生し,それに伴って横断方向運動量輸送は大きくなった. 次に,複断面水路と同様に水平組織渦が発達する両岸に植生帯を有する流れ場で,非植生域幅を系統的に変化させて実験を行った.これらの結果もやはり複断面河道と同様のことが生じた.しかし,両岸に植生帯を有する流れ場は2次元性が強いため,横断方向の運動量輸送は複断面水路より大きくなった.灘岡・八木らによって提案されたSDS&2DHモデルを用いて行った非線形数値解析は渦の配列や運動量輸送をよく説明し,この様な水平組織渦が存在する場の解析に極めて有効であることが示された.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 池田駿介: "両岸に植生帯を有する開水路流れに発生する大規模水平渦の安定性と運動量輸送" 土木学会論文集. 551・I-37. 63-73 (1996)
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[Publications] 池田駿介: "複断面開水路流れに発生する大規模水平組織渦の安定性に関する実験的研究" 水工学論文集. 40. 705-710 (1996)
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[Publications] 池田駿介: "瀬の水理特性に関する現地観測" 水工学論文集. 40. 901-906 (1996)