1995 Fiscal Year Annual Research Report
街路樹およびツタ科植物の都市気象緩和に果す効果の気象水文学的研究
Project/Area Number |
07455200
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
日野 幹雄 中央大学, 総合政策学部, 教授 (30016323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 大二郎 松江高等工業専門学校, 助教授 (20177520)
平野 廣和 中央大学, 総合政策学部, 助教授 (80256023)
大橋 正和 中央大学, 総合政策学部, 教授 (90160598)
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Keywords | 都市気候緩和 / 植生効果 / 蒸発散 / ヒートアイランド / 数値シミュレーション / LES / リモート・センシング / サーモグラフ・赤外線温度計 |
Research Abstract |
植生が都市および周辺の気候緩和に果す役割について,次の項目に関して研究を行い,植生効果が極めて大きいことを示した. (1)数値シミュレーション:大気流,植生層内気流について,流れの基礎方程式(Navier-Stokes eqs.),熱拡散方程式,水蒸気拡散方程式,植生からの潜熱放出式・蒸発散式等を並列的に解く数値シミュレーション・モデルを開発した.また,植生層内の流れの乱流モデルに,LES(large eddy simulation)法を拡張した新しい式を提案しシミュレーション・プログラムに組み込んだ. このシミュレーション・モデルを用いて周りに植生を配した3次元建物周りの風・温度場の数値シミュレーションを行い,植生による気温降下の効果を示した.その結果,夏期の日中の気温は日射により約5℃以上も上昇するのに反し,建物前面に生け垣を配するだけで一般流の大気温よりの気温上昇は抑制され,さらに数度の温度降下が期待できることを明らかにした. (2)サーモグラフによる実測:上記(1)の結果を検討するために,夏期に市街地内の変電所および中央大・多摩キャンパスで赤外線放射温度計による建物および周辺の森林の温度測定を行い,数値シミュレーション結果の妥当性を確認した. (3)リモート・センシングによる検討:植生の多い松江市周辺についてリモートセンシング・データの解析を行い,植生指標NDVIと気温逓減の関係を明らかにし,さらに蒸発量の推定法を提案し,その信頼性の検討を行った.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] Kaneko,D: "Surface temperature decrease,NDVI and humidity deficit,and latent heat flux in forested region from TM and routine meteorological data-A summary-," Symposium on Vegetation Monitoring,. 99-106. (1995)
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[Publications] Kaneko,D: "Proposal and investigation of method for estimating surface energy balance in regional forests using TM-derived vegetation index and observatory routine data," International Journal of Remote Sensing,. (printing.). (1996)
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[Publications] Hino,M: "Thermal turbulence simulation by LES-Giant plume generation over asphalt-paved ring highway" Proc.10th Symp.on Turbulent Shear Flows. vol.3. 3-43〜48 (1995)
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[Publications] 日野幹雄: "都市気候における植生の効果の数値シミュレーション," 第11回生研NSTシンポジウム論文集. 49-52 (1996)
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[Publications] 日野幹雄: "サーモグラフによる都市の熱環境と緑の解析." 水工学論文集. 第40巻. 1121-1124 (1996)
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[Publications] 金子大二郎: "広域実蒸発散の推定法-補完法と気温推定法の連結-" 水文・水資源学会1995年研究発表会要旨集. 60-61 (1995)
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[Publications] 日野幹雄: "相似則・熱収支式・補完法の総合化から地表および気層温度を推定する試み" 水文・水資源学会1995年研究発表会概要集. 56-57 (1995)
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[Publications] 日野幹雄: "Wavelet変換による波浪データの解析," 海岸工学論文集. 42巻. 306-310 (1995)
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[Publications] 金子大二郎: "実蒸発散量推定法の比較検討-補完法と葉温飽差-相似則法" 土木学会第50回年次学術講演会講演概論集. 86-87 (1995)
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[Publications] 日野幹雄: "コンピューター・シミュレーションに対する評価の変遷-私とコンピューター・シミュレーション-" 日本風土学会誌. 60. 2-6 (1994)
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[Publications] 日野幹雄: "工学分野での流体力学研究のトピックス,環境工学「環境流体力学研究の動向」" 日本流体力学会学会誌(ながれ). 14. 29-31 (1995)
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[Publications] 日野幹雄: "水文研究者は何をやって来たか,そしてこれからなにをすべきか." 水文・水資源学会雑誌. vol.9. 3-16 (1996)