1995 Fiscal Year Annual Research Report
中小建築事務所・建設業者への建築生産技術・生産情報の移転に関する研究
Project/Area Number |
07455240
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古阪 秀三 京都大学, 工学部, 助教授 (60109030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 雅弘 京都大学, 工学部, 助手 (60240826)
長岡 弘明 京都大学, 工学部, 教授 (40227997)
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Keywords | 生産技術 / 生産情報 / 技術移転 / 情報移転 / 中小建築事務所 / 建設業者 / VE |
Research Abstract |
今年度調査で得られた知見は以下のとおりである。 (1)中小の建築事務所における生産設計能力が低下しており、外的に何らかの支援が必要であることを、いくつかの実態調査を踏まえて明らかにしている。特にコストコントロール能力、スケジューリング能力に欠ける。問題はそれらの技術をいかに開発するか、あるいは移転させるかにある。また、欧米を中心に広く普及し始めたコンストラクションマネジメント方式、分離発注方式について、設計事務所がいかに導入を図っているかの実態調査を行い、その類型化を試みている。 (2)専門工事業での技術開発ならびに技術導入意欲は相当なものであること、その中で、技術移転すべきものはたとえば躯体工事業では、材工ともで受注して施工ができる技術、工程計画技術などで、人的交流による移転が効果的である。 (3)中小の総合建設業では、設計能力が十分ではない。設計能力を高めるために、いかなる戦略を採っているかの実態を明らかにした。戦略の第1は、優秀な設計者を設計事務所から迎え、若手の現場技術者とくませて、設計活動を開始すること、戦略の第2は、設計段階の可能な限り川上段階の設計を行い、実施設計は外部の設計事務所に外注すること、 戦略の第3は、日常的につながりのある設計事務所との良好な関係の維持に配慮すること、などである。一方、ヴァリューエンジニアリング(VE)手法の導入には、まず、海外のコンサルタントの実践例を調査し、自社で実験的なワークショップを開く。次に、国内の専門家の協力を得て、実プロジェクトで体験をする。さらに、国内のVE協会の研修に参加し、自社の活動が特殊なものでないことを社会的に認知させる。その後、独自のVE活動を展開する。等である。
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