1995 Fiscal Year Annual Research Report
実測調査に基づいたデルフォイのアテナ・プロナイア神域の建築的研究
Project/Area Number |
07455250
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊藤 重剛 熊本大学, 工学部, 助教授 (50159878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 義伸 都城高等専門学校, 助教授 (00149999)
両角 光男 熊本大学, 工学部, 教授 (50040449)
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Keywords | ギリシア / デルフォイ / 古代建築 / 設計法 / 施工法 / 建築技術 |
Research Abstract |
1)遺構現状図面の作成 デルフォイのアテナ・プロナイア神域の「ドリス式宝庫」と「円形建物(トロス)」の調査は、平成7年の夏に行なわれた。(科学研究費国際学術研究による。)本研究では、この現地調査のデータをもとに、「ドリス式宝庫」について縮尺1/20の平面図、立面図、および解体された大理石部材の縮尺1/5の図面を作成した。また「円形建物」については、空中撮影による写真実測の結果から、立面図および大理石部材2個の図面を作成した。作成図面の総数は45枚である。 2)設計法および施工法の分析 ドリス式宝庫は、遺構の残存状況が悪く、実測結果からまず主要部の寸法を復元することが重要であった。調査データの分析から、基礎の寸法が側面10.452m正面7.321mスタイロベート(基壇)の寸法が側面9.772m、正面6.650mと考えられる。 円形建物は地盤の緩み等で変形し、基壇の直径に最大12.7センチの誤差が生じ、本来の直径が不明確であった。分析の結果、基壇の直径は13.4870mと計算され、古代尺の45尺と考えられる。設計は7尺をモデュールとして各部が設計されたと考えられる。 3)本研究の評価および報告書 本研究の価値は、研究の一級資料として遺構のドキュメントを作成したこと、これをもとに、建築の設計および施工の点から分析をしたこと、の二点にある。遺構の現況報告として、「Architectural Survey of the Sanctuary of Athena Pronaia at Delphi 1995 : Preliminary Report : The Doric Treasury and the Tholos」と題した英文の報告書を作成した。また研究結果は、建築学会九州支部の研究報告に発表する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 伊藤重剛 他5名: "地中海古代都市の研究(84) デルフィのドリス式宝庫調査報告1995(1)遺構の概要" 建築学会九州・中国支部研究報告. (印刷中). 669-672 (1996)
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[Publications] 伊藤重剛 他5名: "地中海古代都市の研究(85) デルフィのドリス式宝庫調査1995(2)基壇寸法の復元" 建築学会九州・中国支部研究報告. 673-676 (1996)
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[Publications] 林田義伸 他4名: "地中海古代都市の研究(86) デルフィのトロス調査1995(1)基壇の実測寸法" 建築学会九州・中国支部研究報告. 677-680 (1996)
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[Publications] 堀内清治 他4名: "地中海古代都市の研究(87) デルフィのトロス調査1995(2)基壇の復元寸法" 建築学会九州・中国支部研究報告. 681-684 (1996)