1996 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場付加によるマルテンサイト変態の核生成サイトに関する研究
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07455256
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 浩司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 健太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10111460)
渡辺 和雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30143027)
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Keywords | マルテンサイト変態 / 核生成サイト / 強磁場 / 鉄鋼 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画は以下のようであった。(1)室温〜15K温度可変磁場付加用冷却装置の完成:平成7年度に作成した小型冷凍機とクライオスタットとを組合わせる。(2)平成7年度に得られたデーターを参考にして、研究目的に適した等温保持温度領域を選定し、その温度にて前歪みの影響、前歪み後の再加熱の影響などを明らかにする実験を行う:用いる試験片は平成7年度と同様である。完成させる温度可変磁場付加用冷却装置を用いた磁場付加実験とともに、既存のハイブリッドマグネットを用いた液体窒素・ヘリウム中磁場付加実験も行う。(3)上記実験と並行して、実験データの解析を行う:核生成サイトのポテンシャルを一定とした場合の反応速度式を用いた、等温マルテンサイト変態の計算機シミュレーション方法は既に完成させているので、それをポテンシャルに分布を有する場合にも適用できるようにする。(4)実験データと解析結果をまとめる。(1)に関しては、装置を完成させた。(2)の内、前歪みの影響に関しては、やはり1%以下の前歪みで、α′マルテンサイトの生成量が最大となった。前歪みを与えた後に1100℃までのいろいろな温度まで再加熱して、α′マルテンサイト量を測定したところ、興味ある現象が観察された。その現象の再現性を確認し、磁場の影響も調べたが、機構を明らかにするまでには至らなかった。引き続き、その現象の活性化エネルギーを求める実験、新たな試料を用意して侵入型固溶元素の影響を調べる実験、を行っている。(3)に関しては、完成には至っていない。これについても、引き続き追求している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Shibata et al.: "Effects of Pre-strain and High Magnetic Fields on Iso-thermal Formation of α′ Martenaite in SUS304L Steel at Cryogenic Temperatures" Abstracts of International Symposia on Advanced Materials and Technology for the 21 Century. 107-107 (1955)
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[Publications] 柴田ら: "SUS304L鋼の極低温におけるα′マルテンサイト生成に及ぼす予歪み、再加熱、強磁場の影響" 日本金属学会誌. (to be submitted).