1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455263
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 清 東京工業大学, 工学部, 教授 (80114859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀島 欣一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (50251616)
林 滋生 東京工業大学, 工学部, 助手 (20218572)
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Keywords | 選択溶解法 / 多孔体 / γアルミナ / 均一細孔 / 水蒸気吸着 |
Research Abstract |
γアルミナ多孔体を従来にない新しい合成法である選択溶解法により作製し,その多孔体特性,特に細孔径分布について調べた.試料の作製方法は,カオリン鉱物を1000℃付近で熱処理してその粒子内部に非晶質シリカをマトリックスとし数nmの超微粒子のγアルミナが規則的に分散した微細組織を形成させ,アルカリやフッ酸などのエッチング液を用いて非晶質シリカを選択溶解して大きさのそろった細孔をその形骸粒子の内部に形成させる方式である.出発試料,加熱処理温度,選択溶解処理の温度,時間,アルカリの種類,濃度などについて検討し,それぞれの調製条件のもとで得られる多孔体の比表面積と細孔径分布を測定した.その結果,出発試料に米国ジョージア産のカオリナイト,加熱処理温度を1000℃,選択溶解処理温度を90℃,処理時間を1時間,KOH濃度を4mol/lで処理すると細孔径分布がシャープで数nmの大きさの均一なメソ細孔をもつ多孔体が得られることが分かった. この多孔体はこれまでに知られているγアルミナ多孔体と比べ細孔径が均一で細孔容積も大きい.そこで,室温における水蒸気の吸着・脱着等温線を調べたところ,吸着側では相対湿度が80%で急峻に吸着量が増大し,最大で約600ml(STP)/gの吸着量を示し,一方,脱着側では70%から急に吸着量が減少する特徴をもっていた.これは細孔径が均一なため,吸着した水蒸気分子の凝縮が狭い相対湿度条件で起きることに起因すると解釈でき,ある程度狙い通りの多孔体特性が作製できていると判断された.また,水蒸気に対する吸着特性からこの多孔体の表面は親水生であることが確かめられたが,非極性分子のシクロヘキサンに対する吸着特性からもその表面性状が親水的であることが明らかにできた.
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[Publications] K.J.D.Mackenzie,J.S.Hartman & K.Okada: "MAS NMR Evidence for the Presence of Silicon in the Alumina Spinel from Thermally Transformed Kaolinite" Journal of American Ceramic Society. 79[11]. 2980-82 (1996)
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[Publications] Y.Saito、S.Hayashi、A.Yasumori & K.Okada: "Effects of Calcining conditions of Kaolinite on Pore Structures of Mesoporove Materials Prepared by the Selective Leaching of Calcined Kaolinite" Journal of Porove Materials. (in press). (1997)