1995 Fiscal Year Annual Research Report
侵入型(Fe,Co)-(B,C,N)多元合金の単結晶相の合成と巨大飽和磁化の研究
Project/Area Number |
07455273
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島田 寛 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00006157)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北上 修 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (70250834)
|
Keywords | 窒化鉄 / 薄膜 / マルテンサイト相 / 巨大飽和磁化 |
Research Abstract |
最初に、従来から非常に多くの議論があり、未だに確定されていないFe_<16>N_2の長周期構造単結晶の合成をスパッタービーム法によって試みた。以下にその実績を述べる。 1)スパッタービーム装置の真空度を改善し、Ar+窒素雰囲気中でFe膜をGaAs(100)基板上に合成すると、均一なFe-Nマルテンサイト相が得られた。これを清浄雰囲気中で低温熱処理すると、マルテンサイト相と長周期構造のFe_<16>N_2相が生成した。 2)この長周期構造の生成割合について緻密な検討を行ない、X線回折の解析精度を上げる事によって高い精度で決定した。これによって、長周期構造の飽和磁化を2.7〜3.0テスラである事が判明し、これまで過去の多くの研究報告で長周期構造の飽和磁化が正確に決定できなかった原因については、その多くは、この生成割合決定の誤差を正確に評価できなかった事がわかった。 4)この高い飽和磁化が理論的に説明ができるかどうか検討し、長周期構造に特異なスピン状態を想定する必要があることがわかった。 5)Fe-Nマルテンサイト相の飽和磁化がN含有量の増加によって、増大することがわかったので、このマルテンサイト相の電子状態の変化を詳しく決定することによって、巨大飽和磁化の原因を説明できる可能性がある。 6)長周期構造の生成割合を高める方法として、Agを下地層として多層構造することが効果的であることが判明し、現在準備中である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] O.Kitakami,Y.Shimada: "Characterization of epitaxially grown Fe-N films by Sputter Method" Journal of Applied Physics. 79-3. 1678-1683 (1995)
-
[Publications] O.Kitakami,Y.Shimada: "α^<11>-F_<16>N_2 phase epitaxilly grown on Fe and Ag underlayers" Journal of Applied Physics. 79-8(予定). (1996)
-
[Publications] 北上修,島田寛: "スパッタビーム法による薄膜の形成と磁気的性質" 東北大学科学計測研究所報告. 45(予定). (1996)