1995 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス分散型超高温用TiAl基合金の組織と特性
Project/Area Number |
07455274
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
辻本 得蔵 茨城大学, 工学部, 教授 (40250980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 徹也 茨城大学, 工学部, 助手 (70261740)
友田 陽 茨城大学, 工学部, 教授 (90007782)
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Keywords | TiAl基合金 / 素粉末反応焼結法 / チタンボライド / 加工熱処理 / 変形特性 |
Research Abstract |
用いた材料はTi-43.4at%Al-1.6at%Mn合金とそれに径<1.5μmのTiB2を2mass%添加したもので、400℃以下で押出比295まで加工した素粉末押出材である。供試材に対して2種類のHIP処理を行った。一つは1380℃・1.5hrのHIPで、HIP温度でα単相になる。もう一つはHIP中で2℃/minで昇温し、700℃に達すれば炉冷したものである。この700HIP材の組織は不均一な非平衡状態であるが、金属相は全て化合物に変化しているので、その後の加工熱処理によりポア-を発生することはない。700HIP材はα単相域に加熱すれば均一化されるが、α+γ2相域への加熱では平衡するα相とγ相が押出方向に伸びた巨視的層状組織となる。なお、TiB2添加材では上記全ての組織においてTiB2粒を含む。 900-1100℃における圧縮変形に際して1380HIP材は高いピーク応力を示すが、700HIP材は1380HIP材の1/2-1/3程度の応力で変形する。圧縮軸が押出方向と一致する時には、この変化により700HIP材の巨視的層状組織は分断され、γ母相中に横長な島状α相が存在する組織となる。添加されたTIB2粒子は、この組織において両相にほぼ均質に分布する。 TiB2粒子の添加はα単相温度における結晶粒の成長を抑制する。また、700HIP材においては平衡組織への到達時間を短縮する。TiB2の添加は高温強度の向上に寄与しなかった。この原因は、変形に際して動的再結晶を促進したためであると考えられる。 本年度における成果は、健全な焼結材を得る安価な方法として700℃HIPとおいう手段にたどり着いたことと、700HIP材がもつ成形性の良好さと組織制御手法の多様さを見出したことである。高温強度に対するTiB2添加の利点を引出すには、合金組成の再調整を含めて工夫が必要であると判断される。
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