1996 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー加工プロセスのモニタリングシステムに関する研究
Project/Area Number |
07455288
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黄地 尚義 大阪大学, 工学部, 教授 (00089880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 曙 大阪大学, 工学部, 助手 (40260632)
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Keywords | レーザー溶融加工 / モニタリング / キ-ホール / レーザープラズマプルーム / 赤外線プラズマ診断法 / トモグラフィ法 / CO_2レーザー |
Research Abstract |
レーザーによる溶融加工プロセスにおいては、材料の蒸発に伴うキ-ホールの形成が現象を支配する.このため,加工プロセスの信頼性を確保するには,キ-ホールを安定に維持することが必要である。レーザーの照射にともなって発生するレーザープラズマプルームは、キ-ホールの形成状況を直接反映したものであると同時に、レーザービームと相互作用し、ビームを吸収・散乱し、レーザービームによる加工特性に著しい影響を与える。 本研究は、上記のような観点から、レーザープラズマプルームの計測によるレーザー溶融加工プロセスのモニタリングシステムの開発を目的としている。 昨年度は、プラズマの連続放射理論をベースとする、CCDカメラによる赤外線放射プラズマ診断装置を試作し、アークプラズマを対象に検討し、ほぼ所期の目的を達成した。 本年度は、CO2レーザーの照射によって発生するスズ(Sn)板上のレーザープルームと、自由空間中のCO2レーザービームの経路上に形成されるフリーバーニング・レーザー・プラズマ(free-burning laser plasma)とを対象に検討した。計測対象のプラズマに軸対称性を仮定することにより、これらのプラズマの電子密度分布を明らかにするとともに、これらのプラズマによるレーザービームの吸収特性についても検討し、きわめて満足すべき結果を得た。また、レーザー加工時に形成されるプラズマが、多くの場合、非軸対称となることから、非軸対称プラズマに対しても適用できる計測法について検討した。具体的には、トモグラフィ方式の赤外線放射プラズマ診断装置を試作し、アークプラズマを対象に検討し、ほぼ満足すべき結果を得た。 これらの結果より、筆者らの提案した赤外線放射プラズマ診断法をベースとするレーザー加工プロセスのモニタリングシステムの基礎が確立されたものと考えている。
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[Publications] Takayoshi OHJI: "Measurement of plasma plume in laser welding by IR radiation" Laser Materidls Processing (ICALEO'95). 80. 729-738 (1995)
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[Publications] Takayoshi OHJI: "Measurement of arc plasma by the IR plasma diagnostic method" International Institute of Welding. IIW Doc.212-881-95. 1-11 (1995)
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[Publications] 松廣 克之: "高エネルギ密度ビーム溶接におけるキ-ホール形成限界について" 溶接学会論文集. 13・2. 218-222 (1995)
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[Publications] 黄地 尚義: "溶接・接合プロセスの基礎" 産報出版, 262 (1996)