1995 Fiscal Year Annual Research Report
電子デバイス配線接合用超微細熱圧着機構の解析とそのモデル化
Project/Area Number |
07455291
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 康夫 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (80144434)
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Keywords | マイクロ接合 / 熱圧着 / 固相接合 / 電子材料 / ワイヤーボンディング / 残留応力 / 接合率 / 接合界面 |
Research Abstract |
電子デバイス内の配線接続は種々の方法が採用されているが,その中でも,最も頻繁に使用されるのは,ワイヤボンディング法である.本研究では,まず,この接合法について検討した.現在の最細線である直径10μmのワイヤーのステッチボンディングの密着過程の解析を行った.相手側はリ-ドフレームとした.通常のボンディングでは,超音波を併用するが,本研究では,変形過程と密着過程の関係を基礎的に解析することを目的として,超音波の印加なしで接合を行った.また,その過程をモデル化し有限要素法を利用して,密着過程のコンピューターシミュレーション(動的解析)を行った.密着過程は接合面間の条件(固着しやすさ)によって大きく異なることが判明した.特に,一端密着した後リ-ドフレームにワイヤが固着し拘束を受けると,最初に密着した部分では,金属的結合が達成できず,周囲のみ接合する状態が生じた.これ現象は,リフトオフパターン(接合部をはがした領域の形態)を走査顕微鏡観察することにより確かめることができた.このことを定量的に検討するため,数値実験を試みた.それによると,リ-ドフレーム表面とワイヤー表面のなす角度が45度以上のワイヤ部位がリ-ドフレームに密着する場合に,大きく界面伸びを伴うことが判明した.この45度以上のワイヤー側面をリ-ドフレームに密着させるにはワイヤの圧下率を少なくとも50%以上に確保する必要があることも明らかになった.また,本研究では,接合温度の低温化と低加圧を可能にする超高真空圧着装置を用いて,接合実験も試みた.低温・低加圧で接合すると,大変形を伴う熱圧着過程における密着過程とは大きく異なる接合現象が生じることが示唆された.
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