1996 Fiscal Year Annual Research Report
電子デバイス配線接合用超微細熱圧着機構の解析とそのモデル化
Project/Area Number |
07455291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 康夫 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (80144434)
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Keywords | マイクロ接合 / 熱圧着 / 固相接合 / 電子材料 / ワイヤボンディング / リ-ドボンディング / 接合界面 / 変形過程 |
Research Abstract |
昨年度は細線ワイヤーと電極パッド間の密着接合過程モデル化とその実験的検証を実施したが,今年度においても,確証実験とモデル化との照合を詳細に行った.その結果,ワイヤボンディングにおけるワイヤ周囲部接合の機構を明らかにした.すなわち,ワイヤをパッドに圧着させると,ワイヤの側面部が密着する段階で初めてワイヤ表面が大きく伸びパッドに密着する事が判明した.このとき,酸化皮膜の破砕(Fretting機構)が生じ,密着接合が生じるのである. 角型(平型)のリ-ドをパッドやデバイス配線リ-ドフレームに接続させる接合では,リ-ド側面は密着しないので,ワイヤボンディングとは本質的に密着過程が異なる.そこで,微細角型リ-ドボンディングのモデル化とその密着接合過程における界面変形過程を数値シミュレーションすることにした.その結果,界面伸びと下地界面における応力状況は角型リ-ドの厚さとパッドの膜厚の寸法比によって大きく影響され,さらに膜の硬さに著しく影響されることが判明した.膜が薄くかつ硬い場合,リ-ドの両端で界面伸びが大きく,一方,パッド膜が柔らかくなると中央部で界面伸びが大きくなり,その結果,中央部で密着接合が起こり易い事がわかった.接合界面近傍及び下地界面近傍の接合中の応力分布,歪エネルギの蓄積等も解析し,下地のシリコンチップへの損傷を検討した.その結果,パッド膜が薄くかつ硬くなるとリ-ド両端部で大きな応力集中が生じチップ損傷の危険性があることを示唆することができた.また,実験との照合も行い,良好な一致が見られた.
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Research Products
(1 results)