1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455297
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日野 光兀 東北大学, 工学部, 教授 (10091729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 不二夫 東北大学, 工学部, 講師 (10005291)
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Keywords | 高合金鋼 / 脱酸平衡 / 活量 / 相互作用係数 / 耐熱鋼 / 非金属介在物 / 高清浄鋼 / 熱力学 |
Research Abstract |
シャド-マスクやリ-ドフレーム等の電子材に利用されるFe-Ni基合金やフェライト系、オーステナイト系ステンレス鋼等の高合金鋼は、近年利用分野の拡大に伴い、高清浄化の要求が益々高まっている。このような高合金・ステンレス鋼は溶製過程で必ず脱酸されるが、脱酸生成物に起因する製品中の欠陥が問題となっている。そこで高清浄化技術としては、介在物低減と組成形態制御の両面から対策が施されるが、いずれの場合もその基礎となる高合金鋼の脱酸平衡に関する熱力学的知識が必要となる。高合金鋼の脱酸平衡を取り扱う場合、Wagnerが提唱したように、無限稀薄を活量基準にして、脱酸元素並びに溶解酸素の活量を濃度の1次並びに2次や交差項などの高次の項で表現すれば良いことは既に知られている。しかし、これまでの鉄鋼生産の主流が低合金鋼であったので、これらの高次の相互作用係数を求めた研究は皆無に等しい。従って、高合金鋼の生産現場では経験的に脱酸元素の添加量を決めているだけで、高清浄化技術はまだまだ確立しておらず、この方面の研究は端緒についたに過ぎない。本研究では上記の高合金鋼の脱酸平衡を熱力学的に取り扱うために、脱酸元素、並びに溶解酸素の活量係数の高次の濃度依存性の相互作用係数を求めることを研究目的としている。研究初年度である平成7年度は、鉄と同族である、Mnとの高合金鋼についての脱酸平衡を取り扱った。その手始めとして脱酸反応の基礎である、約20mass%Mn濃度までの溶融高合金鋼のシリコン脱酸平衡を取上げた。すなわち、MnOるつぼ中にFe-Mn合金を装入し、高周波溶解炉で溶解し、1873KでSi脱酸を行ってから、試料を採取、水中急冷し、各成分を定量した。これらの結果を解析したところ、本高合金鋼系の脱酸平衡は予想通り、1次の相互作用係数のみでは記述しきれずに、次の高次の活量相互作用係数が必要であることが判明した。e_O^<Mn>=-0.044,r_O^<Mn>=0.0003
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