1995 Fiscal Year Annual Research Report
共焦点レーザー高温顕微鏡による超クリーンスティール製造プロセスの研究-溶解金属中微小介在物の凝集分離過程の直接観察解析-
Project/Area Number |
07455298
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江見 俊彦 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (30250822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 浩幸 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (50250824)
鈴木 幹雄 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (10261471)
佐藤 俊一 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (30162431)
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Keywords | 溶鋼 / 介在物 / 衝突 / 捕捉 / 凝固 / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
鋼材の特性、特に転動疲労、高度の冷間加工、低温衝撃などに対する耐性はアルミナを主体とする酸化物系非金属介在物の含有量を極小化できれば格段に向上することがある程度実証されている。従来の研究は介在物の溶鋼からの除去に関する解析を巨視的・平均的・現象論的に扱うか、仮定の多いモデル解析で扱うかに大別され、クラスタ化に至る過程を観察に基づいて解明した例はない。本研究では共焦点レーザー顕微鏡と赤外線イメージ炉を組み合わせた顕微鏡を用いて、1500℃以上の溶鋼表面においてアルミナ系・シリケート系の微小介在物の運動・凝集過程、および固液界面に微小介在物が捕捉される様子を詳細に観察した。微小介在物の凝集については、アルミナ系の不定形な粒子はある距離(数10μm)以下に近づくと粒子が加速され、衝突・凝集することが明らかになり、この時衝突・凝集する2粒子間に作用している力を定量的に求めることができた。シリケート系の球形介在物ではこの加速される現象が観察されず、衝突・凝集がアルミナ系介在物に比べ起こりにくいことも明らかにできた。また、固液界面への捕捉については、成長する鋼の結晶によりアルミナ粒子が捕捉される場合の固液界面の臨界成長速度の観察に成功している。臨界速度は大きな粒子の場合には小さく、小さな粒子の場合には大きくなっている。これらの一連の観察過程において鋼の凝固現象を鮮明に観察することにも成功した。 介在物の運動・衝突を支配する因子として溶鋼中での温度勾配・溶質濃度勾配による表面エネルギ勾配の影響が考えられる。この影響を明らかにするために、溶鋼中の温度勾配を精密に測定できるように装置の改良を計画している。また、現在観察・解析を進めている溶鋼上(2次元)での介在物の運動・衝突・凝集・捕捉を溶鋼内部(3次元)へ演繹することは、まだ未解決でありさらに研究を要する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 近間大志: "共焦点型レーザー顕微鏡の材料光学への応用" 素材工学研究所彙報. 51. 35-40 (1995)
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[Publications] Chikama Hiroshi: "In-Situ Real Time Observation of Planar to Cellular and Cellular to Dendritic Transition of Crystals Growing in Fe-C Alloys" Materials Transactiona,JIM. 37(印刷中). (1996)