1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455306
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上山 惟一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10092149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松方 正彦 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00219411)
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Keywords | 火炎 / CVD / 非酸化物 / 窒化ケイ素 / 熱CVD |
Research Abstract |
石英製四重管バーナーの中心管からキャリヤ-ガスArと窒素源NH_3、および窒素を含むケイ素源HMDS(hexamethyldisilazane)を送入し、その外側に水素、さらにその外側にシールガスAr、最外環に酸素を送入して酸素-水素層流拡散火炎中で窒化ケイ素粒子を合成した。供給比[NH_3]/[Si]を8.3-41.7の範囲で変えた。窒化ケイ素は非常に酸化され易いので、内径9mmのマグネシア管を火炎中に送入して生成した粒子をサンプリングした。FTIR測定の結果、Si-N伸縮結合に対応する800-900cm^<-1>のピークが観察された。また、Si-O伸縮結合に対応する460cm^<-1>および1280cm^<-1>のピークも見られた。TEM写真によれば、[NH_3]/[Si]=8.3のとき、平均粒径18nmの1次粒子が凝集して50-100nm程度の2次粒子を形成し、さらにこの2次粒子が凝集した凝集体が観察された。[NH_3]/[Si]=16.7では凝集体を形成する2次粒子の大きさが減少していることが観察され、さらに1次粒子の中に非常に小さな黒点(TEM写真)が見られた。電子線回折リングから、α-Si_3N_4結晶が存在していることを確認した。さらに供給比が41.7になると太さ10nmの針状粒子が観察され、α-Si_3N_4の(301)面および(330)面、β-Si_3N_4の(200)面および(301)面の電子線回折リングが観察された。針状粒子はβ-Si_3N_4と思われる。NH_3流量を増加させて供給比を上げたため、ガスの線流速が増加して火炎温度が下がり、供給比41.7における火炎温度は約1100Kである。熱CVD法において1700K以上での熱処理で針状結晶が観察された報告と比較すると、かなり低温でβ-Si_3N_4が生成したことになる。ガス供給比が増すと粒子径はほぼ10nm程度にまで減少したが、濃度変化の他に火炎温度降下、反応領域での滞留時間の減少、の複合された影響があるものと考えられる。
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