1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455308
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
舛岡 弘勝 広島大学, 工学部, 教授 (50034385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 善之 広島大学, 工学部, 助手 (50243598)
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Keywords | 超臨界流体 / 吸着平衡 / 物質移動 / 表面拡散 / 理想吸着溶液モデル / BPL炭 / 高表面積活性炭 |
Research Abstract |
超臨界二酸化炭素存在下における2種類の吸着剤(BPL活性炭,高表面積活性炭)に対するベンゼン、トルエン,アセトンの平衡吸着量の測定を温度313K,圧力1〜12MPaの範囲で行った。さらに純二酸化炭素および溶質であるベンゼン,トルエン,アセトンの純成分平衡吸着量の測定を行った. 吸着平衡関係は以下の通りであった。温度一定の条件下では平衡吸着量は純溶質の平衡吸着量を最大値として溶質や吸着剤の種類にかかわらず実験圧力の上昇により減少していくことがわかった。同一吸着剤おける3種類の溶質の平衡吸着量を比較するとベンゼンとトルエンではほぼ同程度の吸着量を示したが、分子構造,極性の大きく異なるアセトンでは他の2つの溶質に比べ吸着量が小さくなった。また、高表面積活性炭はBPL活性炭に比べ大きな吸着量を示したが、圧力に対する傾向としてはBPL活性炭とほぼ同様な挙動を示した。これらの原因は溶媒である二酸化炭素の溶解力や二酸化炭素の競争吸着に平衡吸着量が複雑に依存しているためであると推定される。 以上の結果を基に超臨界流体存在下における溶質の平衡吸着量の推算法の検討を行った。推算にはPrausnitzらが提案した理想吸着溶液モデルを高圧下へ適用したところ、推算値は実験値をほぼ良好に表すことができた。高圧下における溶質の平衡吸着量は各純成分の平衡吸着量を用いることにより、ほぼ良好な精度で推算できる手法が確立できた。 吸着層内物質移動機構の検討では、吸着層内における物質移動の機構および速度の解析を既に提案した物質移動モデルを用いて行った結果、種々の測定条件下より得られた破過曲線を良好に相関することができた。BET比表面積測定装置により、BPL活性炭の細孔構造を測定したところ、ミクロ孔の構造を有していることが判明したため、この結果より本研究での物質移動モデルの正当性を確認することができた。また得られた表面拡散係数の値は低圧力における文献値と同程度であり、このことからも本研究のデータの精度とモデルの正当性を確認することができた。
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[Publications] Jefferson S. Porto: "Adsorption Dynamics of Benzene on Activated Carbon in the Presence of Supercritical Carbon Dioxide" Journal of Chemical Engineering of Japan. 28. 388-392 (1995)
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[Publications] Hideki Shojibara: "Adsorption Equilibria of Benzene on Activated Carbon in the Presence of Supercritical Carbon Dioxide" Journal of Chemical Engineering of Japan. 28. 245-249 (1995)
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[Publications] 谷田 克義: "活性炭への超臨界二酸化炭素の吸着量の測定と相関" 化学工業論文集. 22. 385-391 (1996)