1996 Fiscal Year Annual Research Report
遠紫外線を含む拡散光及びエキシマー光照射下での水中溶存有機物分解特性
Project/Area Number |
07455311
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
菅原 拓男 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (10006679)
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Keywords | 遠紫外線 / エキシマー光 / 紫外線酸化 / 全有機体炭素 / 内部フィルター効果 / 二重管型光反応器 / 超純水 / 資源循環 |
Research Abstract |
回分式循環型光反応システムを用い,本年度は新規購入のキセノンエキシマー(172nm)ランプ照射下で水中に数mg/lオーダー溶存しているメタノール,ホルムアルデヒド,ギ酸の分解を行った.光反応器本体は合成石英製ランプ保護管(外径42mm,ランプ発光長107mm),パイレックス管(内径50mm)から成る二重管である.窒素飽和したメタノール水溶液に光照射したところ,メタノールは6hで完全分解し,またTOCは20h後にゼロとなった.一方,酸素飽和水中では同一初濃度の場合,メタノール分解は4.5hで完了し,またTOCは6hでゼロとなった.酸素飽和水中ではホルムアルデヒド,ギ酸,過酸化水素が反応中間体として生成したが,窒素飽和水中ではこれらがいずれも検出されなかった.なお,酸素飽和水のみにエキシマー光を照射すると過酸化水素が生成し続け,15h後に0.2mol/m^3一定となった.ところで,ギ酸の酸素飽和水中での分解速度に及ぼす過酸化水素の効果を、初期添加量を(0〜1.7)mol/m^3と変化させて調べたところその影響がないことが分かった.この事実は,低圧水銀灯照射により得てきた従来の知見と大きく異なる.すなわち254nm光照射の場合に比して遠紫外域では過酸化水素の効果が小さく,むしろ有機物の直接分解の効果がより大きい.現実の紫外線酸化法においては遠紫外線と紫外線(C域)両者を含む光源を用いる.この場合,内部フィルター効果の大きい遠紫外線の分解速度に及ぼす影響をどのように定量化するかが大きな課題であり,現在光路長の異なる二重管型反応器を用いた検討を続行中である.
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