1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455328
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山根 恒夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (70026102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 秀雄 名古屋大学, 農学部, 助教授 (00237348)
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Keywords | 無細胞蛋白質合成 / 小麦胚芽抽出液 / 大腸菌S30画分 / ミニバイオリアクター / キャップ非依存性遺伝子翻訳 / ヒスチジンタグ |
Research Abstract |
既存の無細胞蛋白質合成系ではあまりにも微少量しか合成されないので、物としてその特性を調べることが難しい。そこで、無細胞蛋白質合成系の効率向上をめざして次の3点を研究し実績を得た。 1.分子拡散型ミニバイオリアクターの最適化 翻訳に必須なATPとGTPを連続的に供給できる分子拡散型ミニバイオリアクターの形式として2つ考案した。1つはホロファイバーを使用した透析液循環方式であり、他の1つは反応槽の底部を膜にした平膜方式である。前者については、遠心濾過膜で濃縮した大腸菌のS30画分を用いることによって、約2.5時間の転写翻訳共役反応で、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)が1.2mg/ml合成できた。一方、後者においては、濃縮小麦胚芽抽出液を用いた系においてmRNAを経時的に添加することにより3時間でジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)が0.14mg/ml合成できた。 2.キャップ非依存性mRNAの5'-UTRの最適化 タバコエッチウイルす(TEV)の5'-非翻訳領域(5'-UTR)から出発し種々な断片(合計8種類)をレポーター遺伝子の上流につなぎ、その蛋白質生成量を調べた。その結果、35ntからなるTEV-5'-UTRの断片が完全長5'-UTRよりも高い翻訳活性を示した。 3.翻訳反応終了後の目的蛋白質の分離・精製 ニッケル樹脂を用い、CATのN末端側にあるHis-Tagによる精製はうまくいかなかった.しかし、His-TagをC末端側につけ、さらに反応系のジチオスレイトールを全て除いて、イミミダゾール濃度を徐々に上げていった結果、1MイミダゾールでCATを分離することができた。
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[Publications] Yasuaki Kawarasaki: "A long-lived batch reaction system of cell-free protein synthesis" Analytical Biochemistry. 226・2. 320-324 (1995)
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[Publications] Hideo Nakano: "Accumulation of translational inhibitors during multi-hour cell-free protein synthesis reaction using rabbit reticulocyte lysate" Journal of Fermentation and Bioengineering. 83・5. 470-473 (1997)
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[Publications] Yasuaki Kawarasaki: "Purification and some properties of wheat germ acid phosphatases" Plant Science. 119・1. 67-77 (1996)
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[Publications] Hideo Nakano: "Highly productive cell-free protein synthesis using condensed wheat-germ extract" Journal of Biotechnology. 46・3. 275-282 (1996)
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[Publications] Hideo Nakano: "Cell-free Protein Synthesis Systems" Biotechnology Advances. (発表予定). (1998)
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[Publications] 山根恒夫: "無細胞たん白質合成" ケミカル・エンジニアリング. (発表予定). (1998)