1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455331
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石川 治男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00081349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 博康 大阪府立大学, 工学部, 助手 (80233443)
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Keywords | 有機溶媒耐性酵素 / 有機溶媒耐性微生物 / リパーゼ / Pseudomonas aeruginosa |
Research Abstract |
リパーゼは油脂の加水分解、エステル合成反応およびエステル加水分解反応を触媒する酵素であるため、油脂の分解以外に種々の合成反応やリステル交換による油脂の改質、さらには化学合成法では容易に行なうことのできないエステルの不斉合成など、多くの有用物質生産に用いられている。このような基質や生成物は水に不溶である場合が多く、有機溶媒存在下で反応を行なうことができれば有利なことが多い。しかしながら、一般に酵素は有機溶媒存在下では容易に変性、失活する。そこで本研究では、自然界から得た有機溶媒に安定なリパーゼの安定性の原因を解明し、工業的に極めて有用である有機溶媒耐性リパーゼを創製することを目的とする。本年度は、シクロヘキサンを添加したオリーブオイルを唯一の炭素源とする溶媒液を用いた集積培養で、自然界より分離したPseudomonas aeruginosa LST-03株の有機溶媒存在下での生育、有機溶媒を添加した培養液でのリパーゼの産生および産生されたリパーゼの有機溶媒安定性等を検討した。成果の概要は以下の通りである。(1)LST-03株を種々の有機溶媒を重層した寒天培地で培養したところ、LogP値が2.0以下の有機溶媒存在下で生育する有機溶媒耐性微生物であることがわかった。(2)通気攪拌槽(ジャーファーメンター)を用いて、シクロヘキサンを添加した培養液でLST-03株を培養したところ、有機溶媒を添加していない培養液で培養した場合と同程度に生育し、リパーゼを産生した。(3)LST-03株の培養上清に種々の有機溶媒を添加して振盪し、培養液に含まれるリパーゼの安定性を調べたところ、産生されるリパーゼは有機溶媒存在下でも大変安定であることがわかった。
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