1995 Fiscal Year Annual Research Report
EDTAを用いるバライト(BaSO_4)の新しい湿式処理
Project/Area Number |
07455344
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥脇 昭嗣 東北大学, 工学部, 教授 (70005320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 敏明 東北大学, 工学部, 助手 (30241532)
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Keywords | バライト / 湿式書処理 / Ba-EDTA錯体 / 解離反応 / 浸出 / 形態制御 / 未反応核モデル |
Research Abstract |
バライト(BaSO_4、重晶石)はバリウム(Ba)の主要原料鉱石であり、現在、その処理法としては1000℃以上で炭素還元する乾式法が用いられている。また、この方法は副生する硫化物の処理が必要なことから、より省エネルギーで環境負荷の小さな新しい処理法の開発が望まれている。本研究はこれらの問題を解決するため、EDTAを用いてバライトからBaを直接浸出し、Ba-EDTA錯体の解離反応を利用して、Baを形態及び粒径を制御した高付加価値の原料粉末として回収することを目的とし、初年度は浸出実験を行った。 pH12に調製した0.08M EDTA浸出液250cm_3を三つ口フラスコ中に取り、かき混ぜながら水浴中で昇温し、所定温度に達した時に国産バライトを投入し浸出を開始した。所定時間毎にスラリーを採取し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、濾液中のBaを定量した。かき混ぜ速度800rpmにおける浸出速度は温度が高いほど大きく、高温ほど浸出に有利であった。また、かき混ぜ速度800rpm以上では、浸出速度のに対する影響が見られなかったことから、本実験温度範囲では、浸出は反応律速と考えられる。浸出後のバライトのSEM観察から、浸出の進行にともない粒子に細孔ができるため、単純な未反応核モデルは適用できず、表面積増加を考慮したモデルでも本浸出反応を説明できなかった。浸出は、より活性の高い部位から起こり、浸出の進行にともない活性部位は減少すると考えられる。しかし、表面積は細孔の生成にともない増大するため反応速度は複雑に変化する。そこで、反応速度がe^<c(1-x)>-1にしたがって減少すると仮定することにより、本浸出反応を良好に説明でき、見掛けの速度定数の活性化エネルギーは16.1kcal/molと算出され、化学反応律速として妥当な値が得られた。
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[Publications] A.Okuwaki: "Mineral Processing and Material Synthesis using Metal Chelates" Proc.Workshop on Solvo-thermal and Hydrothermal Reactions. 31-41 (1996)
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[Publications] A.Okuwaki: "Synthesis of Several Inorganic Material under Hydrothermal Conditions" Proc.Int.Workshop on Soft and Solution Processing for Advanced Inorganic Materials. 2-5 (1996)