1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455346
|
Research Institution | Yamanashi University |
Principal Investigator |
古屋 長一 山梨大学, 工学部, 教授 (70020485)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 正実 山梨大学, 工学部, 助教授 (40115316)
|
Keywords | ガス拡散電極 / 窒素固定 / アンモニア / Pd-Ru触媒 / 常温常圧 |
Research Abstract |
安定な窒素分子を活性化する場としてガス拡散電極の最適な電極構造および触媒について検討した。電解液と窒素と触媒が近接する場を出来るだけ大きくとることで効率良く窒素を活性化出来るとの考えを基に、電極の反応層構造は触媒を担持された親水部と疎水部の混在構造とした。本電解用ガス拡散電極の製造法を確立した。窒素源を持たない金属触媒は塩化物を塗布、還元することで担持した。多種の金属触媒を担持したガス拡散電極を用いて実験した結果、Pd-Ru合金触媒のみがアンモニアを生成することが明らかとなった。触媒組成を検討した結果、Pd:Ru=(1:1)電極はアンモニア生成量が最大でありPd、Ru単独ではアンモニアは生成しなかった。電解前後での触媒量を蛍光X線分析するとPd-Ru量の変化はないことが明らかとなった。鉄フタロシアニン触媒も同様に電解前後で触媒量の変化はなかった。XPS測定では表面吸着窒素原子の量は確認できなかった。現状ではこれらの触媒を用いても室温でのアンモニア生成効率が1%以下で、生成量の減衰が大きいという問題点がある。Pd-Ru系触媒の反応性を気相反応で確認することにした。水素吸蔵Pdの表面にそれぞれPd、Ruをブラック状に析出させた試料とPd-Ruブラックを付けた試料を純窒素中に放置し、精密天秤で放置時間と重量変化を測定した。吸蔵水素と窒素分子が反応すれば試料の重量減が大きく変化する。Pd-Ruブラックを付けた試料は他の試料に比べ重量減が大きくアンモニア生成反応が進行していることが分かった。今後これらの電極を用いることで明らかに分子状窒素がアンモニアに還元されているかは窒素同位体を用いて検討する必要がある。
|