1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート・セッコウボード廃材の再資源化とその利用
Project/Area Number |
07455351
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荒井 康夫 日本大学, 理工学部, 教授 (20058887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 芳行 日本大学, 理工学部, 助手 (00234766)
安江 任 日本大学, 理工学部, 教授 (90059973)
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Keywords | コンクリート廃材 / 再生セメント / 再生骨材 / 海水 / 二酸化炭素 / トバモライト / セッコウボード廃材 / 再資源化 |
Research Abstract |
本研究では,コンクリート・セッコウボード廃材の再資源化とその利用を目的とし,コンクリート廃材から再生セメントおよびケイ酸カルシウム(トバモライト)系建材の製造,コンクリート廃材を二酸化炭素を吹き込んだ海水による処理,セッコウボード廃材から再生セッコウの製造などについて検討を行った。 コンクリート廃材から再生セメントの製造による再資源化は,コンクリート廃材を粗粉砕後,さらに粉砕して粒径125μm以下のセメント微粉末を得た。これに石灰石粉末を添加し,また酸化鉄(Fe_2O_3)1.1%,酸化アルミニウム(Al_2O_3)2.0%を添加して1450℃で3時間程度焼成すると遊離CaOを低下させることができる。このように遊離CaOを低減させた再生セメントの強さ試験を行ったところ,28日圧縮強さは普通ポルトランドセメントの強さと大差の見られない370kgf/cm^2まで向上することが確かめられた。 海水利用によるコンクリート廃材の再資源化では,海水中にコンクリート廃材を浸漬させ,二酸化炭素を吹き込みあるいは二酸化炭素圧力下の海水中で溶解し,最終的には炭酸カルシウム,細骨材,シリカゲル,アルミナゲルなどに分離,回収することによる再資源化と海水中およびコンクリート廃材中のマグネシウム分を水酸化マグネシウムとして回収するプロセスについて検討を行った。 コンクリート廃材からトバモライトの水熱合成による再資源化では,セメント微粉末にケイ石を添加して,水熱処理を行うと従来の生石灰-ケイ石系反応と比較してトバモライトを低温度,短時間で合成することが可能となった。 セッコウボード廃材からセッコウ硬化体の作製による再資源化では,200℃で10分加熱して得られた再生半水セッコウは焼きセッコウと混合することにより重量比1:1程度まで焼きセッコウ単独で作成した硬化体の圧縮強さを保持することができた。
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[Publications] 荒井康夫: "セッコウボード廃材からセッコウ硬化体の試製" 無機マテリアル. 4. 415-422 (1997)
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[Publications] 荒井康夫: "牛骨からタンパク質の除去による水酸アパタイトの資源化" 無機マテリアル. 4. 431-440 (1997)
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[Publications] 荒井康夫: "高炉水砕スラグからトバモライトの水熱合成と炭酸化抵抗" 無機マテリアル. 5. 13-21 (1998)