1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455360
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉田 潤一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30127170)
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Keywords | 電子補助基 / 電解 / ケイ素 / スズ / 有機合成 |
Research Abstract |
電子移動反応を選択的に行うために、基質自身に電子移動を促進するとともに電子移動により生成した活性種の反応を制御する電子補助基を導入する新しい方法論を開拓し,有機合成に応用することが本研究の目的である。 平成8年度は,複数の電子補助基をもつ基質の電解酸化において、電子補助基の酸化電位の差を利用して選択的な反応を達成することについて検討を行い顕著な成果をあげた。 まず、分子内にケイ素とスズといった複数の異なる電子補助基を望む位置に選択的に導入する方法を検討した。この目的のために新規なシリルメチル化法を開発した。 つづいて、2つの電子補助基が異なる炭素に結合している場合について検討した。この場合には基質の第1および第2酸化電位はそれぞれ単独の場合とほとんど同じで、酸化電位の違いを利用して、より酸化電位の低いほうのみを選択的に反応させることができた。 さらに、2つの電子補助基が同じ炭素に結合している場合について検討した。この場合には、電子補助基の間に相互作用が見られ、第1および第2酸化電位は単独の場合と異なっていた。しかし、電解酸化においては単独の場合により酸化電位の低い電子補助基のみを選択的に反応させることができた。従って、電解酸化において酸化電位の異なる複数の補助基を基質に導入することにより、酸化電位の違いを利用して選択的かつ段階的に反応を行えることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shigeru Yamago: "O-Glycosidation of Telluroglycoside by Electrochemical Oxidation" Chem.Lett.111-112 (1997)
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[Publications] Shigeru Yamago: "Practical Synthesis of Telluroglycosides" Synlett.929-930 (1996)
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[Publications] J.Yoshida: "Organothio Groups as Electroauxiliaries." Tetrahedron Lett.37.18. 3157-3160 (1996)