1996 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒によるC-H結合活性化を経る合成反応の開発
Project/Area Number |
07455363
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤原 裕三 九州大学, 工学部, 教授 (10029481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 憲典 九州大学, 工学部, 助手 (40264080)
谷口 裕樹 九州大学, 工学部, 助手 (50217139)
北村 二雄 九州大学, 工学部, 助教授 (00153122)
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Keywords | C-H結合活性化 / アミノメチル化反応 / アルカンの活性化 / メチルアミンN-オキシド / アミン合成 / プロパン / エタン / 銅触媒 |
Research Abstract |
最終年(2年目)になる今年度は,アルカンのアミノメチル化反応について主として研究を行った。これまでの研究により酢酸鋼/過硫酸カリウム/トリフルオロ酢酸を用いることにより,エタン,プロパン,シクロヘキサン,シクロペンタン,シクロペプタン,シクロオクタン,アダマンタン等のアルカンがメチルアミンN-オキシドによりアミノメチル化され相当するアミンを高収率で与えることを明らかにしているので,さらに本反応の機構について検討を行い次の知見を得た。 1.シクロヘキサン-d12を用いて同位体効果を検討した結果,KH/KD=2.9が得られC-H結合の切断過程が反応の律速段階であることが判明した。 2.本反応はメチルアミンN-オキシドと溶媒のトリフルオロ酢酸よりイミニウム塩(H_2C=N^+R_2・X^-)が生成し,これにアルキル銅(RCuOCOCF_3)が求核的に攻撃して進行すると考えられる。実際にイミニウム塩を別途合成して,アルカンと反応させるとアミンが得られる。 3.基質として普通のアルカンは全て本反応に適用できるが,メタンはこれまでの検討では本アミノメチル化反応を起こさないで,メチルトリフルオロアセタートを少量与えた。これはメタンC-H結合の104kcal/molに及ぶ結合エネルギーによりC-H結合の切断が他のアルカンに較べて困難なことを示すが,今後の検討により反応を可能にしたい。
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[Publications] Yuzo Fujiwara: "Exploitation of Synthetic Reactions via C-H Bond Activation by Transition Metal Catalysts" Synlett. 591-599 (1996)
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[Publications] Yuki Taniguchi: "Copper(II)Catalyzed Reaction of Gaseous Alkanes with Amine N-Oxides" Catalysis Today in press.
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[Publications] 藤原祐三訳: "有機金属化学事典-遷移金属,第3章" 朝倉書店, 2700 (1996)