1995 Fiscal Year Annual Research Report
含窒素医薬品合成を目指した電極上電子移動反応の解明と応用
Project/Area Number |
07455364
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松村 功啓 長崎大学, 薬学部, 教授 (60026309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 三明 長崎大学, 計測・分析センター, 助教授 (10039654)
木下 敏夫 長崎大学, 薬学部, 助教授 (60039641)
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Keywords | 電極酸化 / プロリン / 不斉アルキル化 / γ位置換ピペリジン |
Research Abstract |
カルバメート類を電極酸化位置選択性に及ぼす基質の構造の影響に関して系統的な研究がなされていないために構造の複雑な含窒素化合物には効率的に適用できなかった。そこで,電子移動反応の選択性,効率性に及ぼすα位ならびにβ位置換基を系統的に研究するとともに,酸化生成物を利用して含窒素医薬品をターゲットに含めた精密有機合成反応を展開した。平成7年度は以下の成果を得た。 1)α位に電子吸引性基を有するカルバメートの電極酸化と不斉合成 α位に電子吸引性基を有するプロリンエステルのN-メトキシカルボニル誘導体の電極酸化を行い,α位とα′位酸化生成物を精査した。メタノール溶媒中では酸化反応は選択的にα′位で起こった。α′位に導入したメトキシ基に関する立体化学は約50/50であった。次いで,この酸化生成物を利用してプロリンの不斉α-アルキル化法を開拓した。 2)電極上電子移動に及ぼすβ位置換基効果 β位にハロゲン原子,カルボン酸エステルの置換基を有するカルバメートの電極酸化反応を行った。これら電子吸引性置換基が存在する基質でも電子移動型酸化反応は比較的電流効率良く進むことがわかった。また,臭素原子をβ位にアミン誘導体の酸化生成物に求核剤を導入し次いで塩基で処理することによりα位置換アジリジン類が合成できることがわかった。 3)ピペリジン環のγ位への置換基導入反応 ピペリジン誘導体の電極酸化生成物を利用してそのγ位にマロン酸エステル基を選択的に導入する方法を開拓した。
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