1995 Fiscal Year Annual Research Report
電子・光機能材料としての新しい置換ポリアセチレンの合成と重合触媒の設計
Project/Area Number |
07455372
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026276)
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Keywords | 電子・光機能材料 / 置換ポリアセチレン / 置換アセチレン / 遷移金属触媒 / 重合 / 共役系ポリマー / ヘテロ原子含有ポリマー |
Research Abstract |
我々はこれまでに置換アセチレンの重合に対して5、6族遷移金属触媒が特異的に高い活性を示すことを見出している。本研究では今年度、電子、光機能の期待される新規置換ポリアセチレンの設計と合計、それらモノマーの重合に適した触媒の開発と重合条件の確立、生成ポリマーの特性の解明などについて研究を行った。以下に本年度の研究成果の要旨を述べる。 1.カルバゾリル基を有するポリ(ジフェニルアセチレン)の合成と特性-1-(p-N-カルバゾリルフェニル)-2-フェニルアセチレンからTaCl_5-共触媒系によりポリマーが得られた。生成ポリマーは黄色固体で、大部分が可溶で、その分子量は約4×10^5であり、溶液から丈夫な膜が得られた。空気中での熱重量損失開始温度は470℃であり、高い熱安定性を有していた。このポリマーは光導電性およびレドックス活性を示した 2.3-(N-カルバゾリル)-1-プロピンの単独および共重合-標記モノマーはMoCl_5、WCl_6系触媒により重合して高収率でポリマーを生成した。生成ポリマーは黄色固体でいずれの溶液にも不溶であった。t-ブチルアセチレンとの共重合により得られたコポリマーはトルエン、CHCl_3などに完全に可溶で、高分子量(M_W35万)であり、自立膜を与えた。 3.(p-ブチル-o,o-ジメチルフェニル)アセチレンの重合および生成ポリマーの特性-標記の核置換フェニルアセチレンは、WCl_6およびMoCl_5系触媒により可溶で100万以上の高分子量を有する新規ポリマーを生成した。本ポリマーは紫外可視スペクトルにおいて可視部に大きい吸収極大を示し濃紫色であり、広い共役系を有していた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshio Masuda: "Synthesis and Properties of A Poly(diphenylacetylene)Containing Carbazolyl Groups" J. Polym. Sci., Part A, Polym. Chem.33. 2079-2085 (1995)
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[Publications] Toshio Masuda: "Homo- and Copolymerizations of 3-(N-Carbazolyl)-1-propyne and Its Homologues by Mo and W Catalysts" Polym. Bull.34. 191-197 (1995)
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[Publications] Toshio Masuda: "Polymerization and Polymer Properties of(p-tert-Butyl-o, o-dimethylphenyl)acetylene" J. Polym. Sci., Part A, Polym. Chem.(印刷中).