1996 Fiscal Year Annual Research Report
生体吸収性高分子とペプチド・細胞のハイブリッド化による組織再生制御
Project/Area Number |
07455374
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 良晴 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (10132276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 真敏 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (70149524)
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Keywords | ハイブリッド / ポリ-L-乳酸 / RGDトリペプチド / 細胞接着性 / 生分解性高分子 / 乳酸-グリコール酸ーリンゴ酸共重合体 / 大腸内分解性 / アゾポリウレタン |
Research Abstract |
本研究では、機能性のポリ(α-オキシ酸)とペプチドの複合体に種々の細胞や生体組織をハイブリッド化することによって得られる高分子と生体のハイブリッドの性質を明らかにすると共に、ベースポリマーの分解と吸収に伴う細胞、組織の変化・再生過程を研究することを目的とする。具体的には、ポリ-L-乳酸(PLLA)や乳酸-グリコール酸ーリンゴ酸共重合体(PMLA)及び乳酸-グリコール酸-ドデシルマラート共重合体(PGLL)の側鎖カルボキシル基に細胞接着因子であるRGD(Agr-Gly-Asp)トリペプチドを固定化し、細胞接着性の制御ならびに細胞との複合化による生体組織、器官の再構成(Guided Tissue Regeneration)に応用可能かついて検討した。そして、(1)PLLAフィルムの表面加水分解により生成したカルボキシル末端基に細胞接着のリガンドとなるRGDをコンジュゲートし、その細胞接着性を検討した。この吸収性高分子-ペプチド複合体に対して各種細胞を接着させることにより生体とのハイブリッド化ができることを確認した。(2)PMLAおよびPGLLフィルムに対してもRGDとのコンジュゲートを行い、その細胞接着性、加水分解性を検討し、吸収性材料の分解挙動ならびにマトリックスの分解に伴う細胞の変化を検討した。さらに、吸収性材料-ペプチド-細胞の三元ハイブリッドの調製を行い、そのキャラクタリゼーションを行った。(3)ポリ-L-乳酸とポリエーテルのブロック共重合体が高い抗血栓性を有し、かつ細胞非接着性を示すことを見いだし、この共重合体の癒着防止能ならびに血液適合性を評価した。(4)アゾ基を含むポリウレタンの分子設計を行い、大腸菌の作用で分解する材料を創製した。そして、その分解機序を明らかにすると共に、薬剤の大腸内へのターゲッチングをめざしたDDSの開拓を行った。これら、機能性の生体吸収性高分子に関する研究成果は各方面から注目されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Ueda: "Bacterial Reduction of Azo Compounds as a Model Reaction for the Degradation of Azo-Containing Polyurethane by the Action of Intestinal Flora" Bull.Chem.Soc.Jpn.1139-1142 (1996)
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[Publications] C.W.Lee: "ポリエーテルセグメントを導入したポリ-L-ラクチドの合成およびその繊維物性" 高分子論文集. 52(11). 692-697 (1995)
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[Publications] Y.Kimura: "Surface Science of Crystalline Polymers" Surface Modification and Properties of Biodegradable Polymers Based on Poly-L-lactides, 10(163-172) (1996)