1995 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡ガラス状態に凍結されたミクロボイドの制御に関する研究
Project/Area Number |
07455381
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻田 義治 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉水 広明 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10240350)
木下 隆利 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135407)
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Keywords | 非平衡ガラス状態 / ミクロボイド / 吸着 / 拡散 / 透過 / 二元吸着モデル / ガラス状高分子 |
Research Abstract |
本研究課題ではより効率的なミクロボイド制御の方法論を確立することを目的とする。CO_2ガスを吸着させたまま液体窒素温度まで急冷すると本系は非平衡状態にガラス化し、ミクロボイドを形成する。吸着したCO_2ガスをガラス状態で脱着昇華させるとその跡はさらにガラス状高分子に存在する未来のミクロボイドとなりうる。従って本プロセスはガラス状高分子に存在する本来のミクロボイドとCO_2ガス由来のミクロボイドの相乗的ミクロボイドの制御が可能である。これらのプロセスを複合化させることによりさらに広範囲なミクロボイドの制御を行いミクロボイドの制御の一般則を確立することを最終目的とする。ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド等のガラス状高分子の急冷凍結法による急速なガラス化の際の液体状態の処理温度が高い程、多くのミクロボイドを有するガラス状態の達成が明らかになった。この膜の吸着挙動が2元吸着機構で表され、ミクロボイドの量だけの変化によって説明された。透過挙動は急速なガラス化によるミクロボイドの変化を反映して、透過係数を増加させることができた。その膜の透過機構は部分不動化透過モデルによって表現できた。当初計画したミクロボイドの制御については概略達成できることが判明した。今後より広範囲の制御を目指した技術的な検討をする必要があるだろう。学術上の問題点としてはミクムボイドのサイズとその分布の制御とその膜への気体の吸着・拡散・透過機構との関連をより詳細に検討すべきである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 加藤揮一郎,金井義樹,吉水広明,辻田義治,木下隆利: "CO_2圧処理ガラス状高分子膜の構造と気体吸着特性" 繊維学会予稿集. G258-G258 (1995)
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[Publications] 加藤揮一郎,吉水広明,辻田義治,木下隆利: "CO_2圧処理されたポリカーボネートの気体吸着特性" 高分子学会予稿集. 44. 2858-2859 (1995)