1996 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウム中のノイジ-膜沸騰現象の解明とその制御
Project/Area Number |
07455388
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村上 正秀 筑波大学, 構造工学系, 教授 (40111588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 光人 名大, 工学部・航空宇宙工学科, 助手 (60273273)
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Keywords | 超流動ヘリウム / ノイジ-膜沸騰 / サイレトト膜沸騰 / 不安定現象 |
Research Abstract |
本研究の目的は,飽和状態に近い超流動ヘリウム中で起こる,大きな可聴域での騒音と機械的振動を伴う所謂ノイジ-膜沸騰現象のメカニズムを探ることにある.このために,可視化法や超伝導温度センサによる温度計測,さらに本年は圧力測定等も加え,それらを相補的に応用して現象の理解を定量的なレベルにまで高めることを目指した実験を遂行し,次の様な結果を得た.併せて研究の総括も行った. 1.ノイジ-膜沸騰時のノイズ発生は,大型気泡の消失後の爆発的蒸発による圧力スパイクによるものであることが分かった. 2.飽和状態〜弱サブク-ル状態における超流動ヘリウム中には,静圧の小さな方から順にサイレント膜沸騰,ノイジ-膜沸騰,サブク-ル膜沸騰の3モードがあり,それらの間はやや幅の広い静圧値にわたる明確な遷移領域で区切られることが明らかとなった. 3.膜沸騰発生時に誘起される音響振動に関する周波数分析結果に注目してその成因が考察され,サブク-ル膜沸騰時の高周波成分は,液柱振動によることが示された. 4.ノイジ-膜沸騰現象の発生メカニズムを記述する物理・数学モデルの構築にまでは至らなかったが,その為の十分な実証データの蓄積は達せられた.制御法についても,ノイジ-膜沸騰の発生条件がかなり明らかとなり,またこれがノイズ誘起性の不安定現象であることも明らかとなったので,その制御法も発見の糸口がつかめた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Yamaguchi: "The investigation of vapor bubble vibration during noisy film boilimg in superfluid helium" Proc.of 16th International Cryogenic Engineering Conference (ICEC16). (1996)
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[Publications] M.Murakami: "Thermo-fluid dynamic aspect of noisy film boiling phenomena" Ady.Cryo.Engineering. 41A. 257-264 (1996)
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[Publications] M.Murakami: "The initial thermo-fluiddynamic process of boiling phenomena in He II" Cryogenics. 36-3. 631-635 (1996)