1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455390
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河内 啓二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60143400)
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Keywords | ヘリコプタ / 騒音 / ロータブレ-ド / 環境 / 翼端形状 / BVI騒音 / 翼端渦 |
Research Abstract |
前年度に完成した純理論的なヘリコプタロータの騒音レベルの計算法を、実機飛行試験結果と比較し、その精度を検証した。本理論は概ね良好な騒音推定能力を示したが、詳細に調べるとハブ中心から200m以上の遠距離において若干の誤差を生じている。これは本計算法に含まれない音の反射・回析作用によるものと思われる。 次に、翼渦干渉音を、ブレ-ド上に設置したコントロール面を用いてアクティブに減音する可能性を研究し、以下のような知見を得た。ブレ-ドの後縁フラップによる消音は効果的で、発生する音圧レベルを半分程度に下げられる可能性があるが、フラップの作動タイミングが極めて重要である。翼渦干渉が始まってからでは、フラップを動かすタイミングは遅すぎ、何らかの方法で干渉が始まる前の渦位置を正確に検知する必要がある。前縁フラップについても検討したが、後縁フラップほどの効果は得られなかった。これは以下のように考えられる。フラップを下げるとその過程において、吹き上げ方向の相対流速が生じ、同時に局所的な迎角も増加するので揚力の増加が協調して生ずる。またフラップを上げれば両方のメカニズムが協調して揚力を減少させ、短時間に望みの揚力の調節が行える。ところが前縁フラップでは、フラップを下げると局所的に迎角は減少し、吹き上げの効果を打ち消すので、揚力の増加が短時間に効果的には生じない。同様にフラップを上げても揚力の減少が効果的に行われない。 上記のフラップによりアクティブな低騒音化の試みに加えて、スピーカから騒音を打ち消すアクティブ騒音制御の試みも研究した。現在までに、通常のアクティブ消音制御では広範囲の地上騒音を打ち消すのは難しいこと、また回転翼特有の騒音の回転特性を利用してやると、かなりの効果が見込めることが明らかになりつつある。
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[Publications] T.Aoyama: "Effect of blade tip shape on high-speed rotor noise" AIAA paper. 96・2380. 1-10 (1996)
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[Publications] T.Ohnuki: "Sound generation by fluttering wings" Proc.of 3rd joint meeting ASM and ASJ. 2809-2809 (1996)