1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455396
|
Research Institution | OSAKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
内藤 林 大阪大学, 工学部, 教授 (20093437)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 一 大阪大学, 工学部, 助手 (40283717)
高木 健 大阪大学, 工学部, 助教授 (90183433)
|
Keywords | 非線型波動 / デッキウェットネス / フレア-ライン / ナックルライン / 船首水線面上形状 |
Research Abstract |
昨年度までは実験及び理論の両面から大きな振幅で揺れた船体がどのように挙動するかという点について考察してきた。特に実験的には船首部における水線面上部の船体の形状が船首近傍の波の有り様にどのように影響するかを調査した。 今年度は理論的検討の結果、一定の成果を挙げることができた。 第1点として、2次元模型が水面上を大きな振幅で上下運動する時にその2次元断面模型が造り出す造波の模様を計算することができるようになった。この問題は船体表面条件が刻々と大きく変化するという条件と、それによって大きな波が発生して自由表面条件を非線形なままにして問題を解かねばならず、高度な数値計算の技術が必要とされてきていたが、この点について解決でき、数値計算ができるようになった。 第2点として、この2次元模型によって造られた波が計算領域の遠方場に達した時、その波を数値計算的に吸収するという技術も完成することができた。これは現在の大振幅船体動揺の2次元問題の最先端の計算技術が開発されたことを意味している。この手法を利用して3次元問題への展開を考え、まずウイグリー船型(これは実験に利用した船型でもあるが)に関しての計算を実行した。船の長手方向にも形状が変化し、かつ船の上下運動方向にも形状が変化する難しい問題であるが、前進速度を持って平水中を航走するときの船体表面上の波系を計算することが可能になった。これは従来の計算手法と違い、大きな波の中を大きく動揺する問題を解く方法を内に持っている手法であって、その手法で、運動しないで航走した場合の船体表面波系を計算することが可能になったということである。それを大きな波の中で大きく動揺する問題にまで拡張しつつあるが、今年度末までには完成に到っていない。しかしその方法は明らかになっているので時間をかけることで解決する。 以上のように、大きな波の中で大きく動揺する船体の運動や船体に働く力について計算法を開発することができ、かつ、一部は実験手法も開発し、両者を比較することにより計算法の妥当性を確認することができた。今後は現実に近い船型を使い、波の中で大振幅動揺している場合の運動や力の計算を行うことで本計算法を拡張させて行く予定である。
|