1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455401
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
木下 健 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70107366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮑 偉光 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90238220)
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Keywords | 波漂流力 / 波漂流減衰力 / 長周期運動 / スプリンギング / リンギング |
Research Abstract |
将来の実用化が期待される超大型や超薄型の柔軟浮体構造物や、超大水深係留浮体構造物の場合は、既存の浮体構造物以上に非線形応答か安全設計のうえで重要になる。その場合には非線形波力の推定か不可欠となるが、非線形の扱いとして本研究では摂動法を取り上けた。すなわち波傾斜に対して二次の微小量であり、前進速度に対して一次の微小量の非線形波力である波漂流減衰力と、二倍周波数、三倍周波数の非線形波力の問題を摂動法により定式化して、外部解に固有関数展開を用いる計算法を開発した。 本研究では準解析解として、浮遊直立円柱の固有関数展開による解を、ラディエーション問題を含む形で示した。そこでは半無限積分は、指数減衰する項を除いて、すべて解析積分され、解の収束も充分に確かめられた。つぎに、一本の円柱の解を複数本の配列の場合に拡張する方法を示し、四本柱のプラットフォーム模型を用いた水槽実験を行い、準解析解が、実用上重要な高周波域では、砕波限界に近い波高まで良く実験値と対応することを示した。当然渦放出を伴う、前進する円柱に働く二次波力の問題に、ポテンシャル理論が予想よりはるかに良い推定値を与えた。ポテンシャル理論が、この問題に良い推定を与えることが確認されたので、さらに任意形状浮体に適用できる方法としてハイブリッド法を示した。すなわち浮遊直立円柱の外部解をそのまま外部解として、円筒と任意形状浮体にかこまれる領域に高次要素による境界要素法を適用した。ここでは半無限積分の問題は前問と全く同様に解析的に処理され、数値的に解かれるのは、狭い閉じた領域である。二次要素を用いていることと、領域が狭いことにより、きわめて少数の分割で高精度の解が得られる事が、先の浮遊直立円柱の準解析解と比較することにより得られた。この方法により、浮体幅、浮体吃水の波漂流減衰力への影響を示した。 つぎにスプリンギング現象の起振力である二倍周波数波力と、リンギング現象との関連で注自されている三倍周波数波力の問題を扱った。海底より直立する円柱の場合の固有関数展開による解を浮遊直立円柱の場合に拡張し、水深と吃水の影響を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Kinoshita, W.Bao and S.Sunahara: "The hydrodynamic forces acting on a cylinder array oscillating in waves and current" Journal of Marine Science and Technology. 2-3. 135-14 (1997)
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[Publications] 砂原俊之、木下健、鮑偉光、庄司邦昭: "潮流と波浪の共存場における円柱列に働く2次の定常波漂流力とヨ-モーメント" 日本造船学会論文集. 182. 255-265 (1997)
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[Publications] T.Kinoshita, W.Bao and R.Zhu: "Higher-order boundary element method for the interaction of a floating body with both waves and slow current" Journal of Marine Science and Technology. 2-4. 268-279 (1997)