1995 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャルリアリティーを用いた海洋構造物からの脱出シミュレーション
Project/Area Number |
07455402
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
荒井 誠 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (00232025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多部田 茂 横浜国立大学, 工学部, 講師 (40262406)
井上 義行 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60126373)
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Keywords | 海洋構造物 / 緊急脱出 / 火災 / シミュレーション / 災害シナリオ / 脱出経路 |
Research Abstract |
(1)災害時の構造物の安全を確保するために提案されている国内外の安全基準を調査した。船舶の脱出経路(廊下、階段等)に関しては、脱出経路の幅に関するIMOの基準があるが、安全上極めて重要な要素と考えられる居住区と脱出デッキとの位置関係に関する基準はない。今後、本研究によって現行基準の不十分な点についても検討・評価して行く予定である。なお、緊急脱出に関連する通路幅、脱出経路長、居住区と脱出デッキとの位置関係等に関するデータベースを作成した。 (2)救命艇や救命筏の機能、性能を調べるための数値計算モデルの検討を行った。特に、海洋構造物からの緊急脱出装置として有望視されている自由落下式救命艇については、その挙動検討法が確立されていないことが分かったため、緊急脱出時の運動を模擬するための計算法を開発した。 (3)海洋構造物や船舶において火災その他の緊急事態が生じた場合に、どのような現象が発生するかを疑似シミュレーションする手法を検討した。多数の乗員や乗客がとるマクロ的な挙動の把握のためには、待ち行列理論を応用したシミュレーション法が有効であることが分かった。数ケースの災害シナリオを想定し、大型客船からの脱出シミュレーションを行った結果、避難経路の一部が通行困難となるような事態を仮定すると、階段幅を規定したIMOの基準だけでは、安全確保が十分でないことが明らかになった。 (4)以上の検討結果を踏まえて、平成8年度には、災害現場の実際をさらに詳しく検討できるシミュレーション・システムを構築し、IMOの基準等の評価を行う予定である。
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Research Products
(1 results)