1996 Fiscal Year Annual Research Report
減圧法によるガスハイドレート層からのガス採収法に関する基礎研究
Project/Area Number |
07455409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 昌敬 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50190369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長縄 成実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10237539)
宮澤 政 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30010987)
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Keywords | ハイドレート / 石油工学 / メタン / 天然ガス / 状態方程式 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ハイドレート層下部のフリーガスの生産によるハイドレートからのガス分解過程の促進を工学的に解明することである。本年度の研究から、以下の結果が得られた。 (1)多孔質媒体内におけるハイドレートの生成と分解実験 ガラス管(径5mm、有効長さ28.5cm)内にガラスビーズ(径710〜840μm)を充填したコアを準備する。コアの孔隙率は約38%、孔隙容積は約2.15cm^3である。コアを水飽和後、常温でCO_2ガスを流し、所定の水飽和率にコア内を調整する。その後温度を下げ、CO_2ガスの注入により圧力3.6MPa程度までコアを加圧する(CO_2は液化する)。この状態で急激に減圧するとハイドレートが生成する。本手法で、再現性のあるハイドレートコアを作成することができた。上述の方法でハイドレートコアを数回作成して、ガス浸透率とハイドレート飽和率の関係を測定した。コアの孔隙容積が小さく分解ガス量の計測ができなかったため、ハイドレートの分解速度は得られていない。 (2)状態方程式によるガスの分解過程の予測計算プログラムの開発 水を含む多成分混合物(水とハイドレートを生成するガスの混合物)の相平衡を計算するプログラムを開発し、文献の実験データを適切に予測するように計算パラメータの調整を行った。本プログラムでは、混合物のガス組成、系の圧力と温度を入力データとして与えると、安定に存在する相平衡領域を自動判別して、各相の密度、組成、相間の平衡比等を計算する。プロパンを含む混合物以外は、ハイドレートの平衡圧力、ガスの水への溶解度などを適切に予測することを確認した。一方で、多孔質媒体内におけるハイドレートの分解によりガスが生産される挙動を予測する数値計算プログラムを開発した。両者のプログラムの結合は、次年度に行う。
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[Publications] 増田昌敬: "メタンハイドレートからのガス産出挙動に及ぼす影響因子" 平成8年度石油技術協会春季講演会要旨集. 173 (1996)
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[Publications] 長縄 成実: "天然ガス・水混合物のハイドレート平衡圧力の推定" 平成8年度石油技術協会春季講演会要旨集. 137 (1996)
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[Publications] Yoshihiro MASUDA: "Modeling of Flow Behavior of Gas and Water in Porous Media Containing Natural Gas Hydrates" Proc. Canada-Japan Joint Science and Technology Warkshop on Gas Hydrate Studies. 213-227 (1996)