1996 Fiscal Year Annual Research Report
分岐理論による、RC構造の剪断2次破壊メカニズム並びに破壊速度の解明
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07455423
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田辺 忠顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50144118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧貝 勇 山梨大学, 工学部, 教授 (70115319)
二羽 淳一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60164638)
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Keywords | せん断2次破壊 / 歪局所化 / 2方向補強壁 / 面内加力コントローラ / 破壊速度 |
Research Abstract |
研究の実施計画書でも述べたように、本研究はコンクリート構造物のポストピーク挙動そしてその破壊速度を解明することであった。このために、まず剪断2次破壊を計算することが可能な計算プログラムを開発した。これは、コンクリート材料そのものの構成則とその接線剛性の導出、また補強材の構成則とその接線剛性の導出による歪局所化の理論の数値計算アルゴリズムの開発を伴っており、色々な困難はあったが、2次元応力状態に対しては十分に実用可能なプログラムを完成する事が出来た。次に、その剪断2次破壊実証実験を行うために、小型ではあるが面内加力コントローラを研究グループの中で考案し、比較的安価に設置する事に成功した。これは現在同じ研究グループの山梨大学コンクリート研究室に設置されている。この装置は、壁のような2次元面内で力を受け持つ供試体に長い頂部の水平度を一定に保ちながら水平力と鉛直力を同時に作用させる事ができる装置で、早速小型のX、Y2方向に補強鉄筋を有する実験を行った。そして幾つかの予備実験の後、ついに計算で予測した剪断2次破壊を生じさせること、即ちその再現に成功した。これは取りも直さず、理論で予想される破壊現象が存在することを実証したのであって、この他理論の適用範囲にあるものについては同種の破壊を予測させることになったのである。 次に、破壊速度についての研究であるが、これは衝撃破壊の現象と同類であり、理論の開発について基本的な理解とその初歩的な計算結果を得ることが出来た。これらの成果は全て日本コンクリート工学協会の平成9年度大会にまず公表する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 河村幸典: "鉄筋コンクリート張りの構造不安定と局所不安定に関する解析的研究" コンクリート工学年次論文報告集. 16. 353-358 (1994)
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[Publications] 土橋文彦: "局所挙動を考慮したコンクリートはりの有限要素解析に関する基礎的研究" コンクリート工学年次論文報告集. 17. 1223-1228 (1995)
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[Publications] Guo-xiong Yu: "The Analysis of Localized Failure of Reinforced Concrete Shear Wall" コンクリート工学年次論文報告集. 17. 1257-1262 (1995)
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[Publications] Guo-xiong Yu: "The Finite Element with Inner Linkage Rods in Capturing the Crack Localization of Concrete Structures" 土木学会論文集. 29. 111-119 (1995)
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[Publications] Guo-xiong Yu: "Simulations of the Localized Failure of RC Shear Walls by FEM" コンクリート工学年次論文報告集. 19(発表予定). (1997)