1996 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界水中でのセルロースの分解による化学原料の回収
Project/Area Number |
07455433
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿尻 雅文 東北大学, 工学部, 助教授 (60182995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SMITH Richa 東北大学, 工学部, 助教授 (60261583)
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Keywords | セルロース / 超臨界水 / 加水分解 / 速度 / オリゴ糖 / シミュレーション |
Research Abstract |
超臨界水中でセルロースを加水分解することでオリゴ糖や単糖を高収率で回収する手法の開発を進めている。本研究では、まず、セルローススラリーを連続的に機器できるスラリーポンプを開発し、セルロースの分解速度の評価、および生成物分布の時間的変化およびその温度・圧力依存性の評価を行った。その結果、亜臨界条件から超臨界条件になると、急にセルロース分解反応速度が1桁以上も増大することが確認できた。また、亜臨界条件下では、セルロースがほぼ100%分解した時点では、グルコース熱分解生成物の収率が比較的多かったが、超臨界条件では小さく、オリゴ糖およびグルコースの収率が増大した。また、亜臨界条件下では、オリゴ糖はせいぜい6量体程度であったが、超臨界状態では数重量体も確認できた。すなわち、亜臨界条件では、セルロース粒子表面から加水分解が進行するため、セルロース粒子が消失した時点では、初期の生成物の熱分解が進行し、熱分解生成物収率が多くなる。それに対し、超臨界条件でのセルロースの分解速度の向上は、セルロースの溶解により均一相反応が生じるため、高い加水分解生成物収率が得られる。 次に、セルロースモデル物質としてセロビオース、セロトライオース、セロペンタオースを取り上げ、これらの分解実験を行い、反応速度の詳細な検討を行った。反応は、いずれの場合も、還元末端グルコースの熱分解とグルコシド結合の加水分解からなること、それぞれの分解速度はほぼ同じ程度であることがわかった。またグルコースの分解機構、分解速度についての評価も行った。以上の結果より、セルロースの分解にともなう生成物分布の評価が可能となった。
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[Publications] Bernard M. Kabymela at al.: "Kinetics of Glucouse Epimerization and Deco mposition in Subcritical and Supercritical Water" Industrial and Engineering Chemistry Reseach. (1997)
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[Publications] Bernard M. Kabymela at al.: "Degradation Kinetics of Dihydroxyacetone and Glyceraldehyde in Subcritial and Supercritical Water" Industrial and Engineering Chemistry Reseach. (1997)